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ふくしま教育通信 2023年12月号          リレーエッセイ「やっぱり『アレ』ですね。」教育庁参事 関場 智彦

 今年の日本のプロ野球は阪神タイガースが「アレ」して無事に終了し、関西方面は大いに盛り上がったようです。いきなりこの話題で始まっておきながら「~したようです。」というのも変な話ですが、子どものころは、テレビで巨人戦を熱心に見ていたものの、最近はペナントレースの経過も全く気にならない生活でした。
 それにもかかわらず、今年は何度か楽天パークを訪れて実戦観戦をしてしまいました。未だに田中将大選手以外の楽天選手について詳しくは分かりませんが、野球場でのリアル観戦の楽しさは感じています。
 最初の観戦のきっかけは、名古屋勤務時の通勤途中にナゴヤドームがあり、当時の中日ドラゴンズは最下位争いをしており、当日でもチケットが簡単に入手できたので、ふと立ち寄ったことです。

 一応指定席なのですが、外野席の一部を除きガラガラなので、買い物などの際にいろいろな場所を試してみたのですが、ネット近くの席よりもスタジアムの上の方が楽しいことに気づきました。ネット近くは選手も近く臨場感はあるのですが、スタジアムの天辺の方がグランド全体を見渡せ、9人の選手が一つのプレーに対してどのように動いているのかがよく分かります。
 テレビ中継は常にバッテリーが中心で、ヒットを打った際も打球をカメラは追うので、全体がどう動いているのかは全く見えず、この視点は現場でしか味わえないものです。

 野球というスポーツは、一つのボールを起点にして進行しますが、それ以外のところでも様々な駆け引きが行われており、常に全体を見回しながら試合の流れを感じることができるのは、リアル観戦の醍醐味です。
 目先の事象にとらわれて、日常生活でも一喜一憂したり、仕事上でも全体の動きを見逃し反省することも多いだけに、野球観戦しながらも、俯瞰(ふかん)する力、鳥の目の大事さを感じてしまいます。
 最後は強引に仕事っぽくまとめてみましたが、実はそれほど高尚な思いで観戦しているわけではなく、炎天下の屋外で味わう「アレ」が楽しみなだけなのです。来年の夏が早くこないかなー。

(執筆:教育庁参事 関場 智彦(せきば ともひこ))

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