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文部科学大臣メッセージ「子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に」

 8月28日に中央教育審議会 質の高い教師の確保特別部会から永岡桂子大臣(当時)に手交された「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を踏まえ、翌8月29日に、永岡大臣は文部科学大臣メッセージ「子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に」を発出し、強い決意を述べました。

令和5年8月28日中央教育審議会 質の高い教師の確保特別部会(第3回)が開催され、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」が貞広斎子部会長(千葉大学教育学部教授)から永岡大臣へ手交されました。

 文部科学大臣メッセージの概要は、以下の通りです。
① 国が先頭に立って改革を進めます。教師を取り巻く環境整備の加速化に向け、大幅な教職員定数の改善や支援スタッフの大胆な配置充実など、これまで以上に力強く教育予算を確保します。
② 学校・教育委員会は、できることは直ちに実行を。中教審の提言では、各主体において求められる対応が整理されておりますので、今からできることは直ちに着手いただきますようお願いします。
③ 保護者・地域住民の皆様へ。教師が教師でなければできない業務に集中し、教育の質を向上させるためには、学校・家庭・地域の連携分担や学校の働き方改革が必要であり、皆様の力がこれまで以上に求められています。ご理解とご支援をお願いします。

文部科学大臣メッセージ
~子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に~

 学校における働き方改革「元年」と言える 2019 年から約4年、皆様のご尽力のおかげで、教員勤務実態調査では在校等時間が減少しましたが、依然として長時間勤務の教師が多い実態も明らかになっています。この改革の目的は、働き方の改善により教師が学ぶ時間を確保し自らの授業を磨くこと等を通じて、子供たちにより良い教育を存分に行うことができるようにすることです。今後は、2024 年度からの3年間を集中改革期間とし、政府全体として質の高い公教育の再生に向け、働き方改革、処遇改善、指導・運営体制の充実を一体的に進めていきますが、教師を取り巻く環境をより良いものとすることは待ったなしであるため、直ちにできることに関し、文部科学大臣としてメッセージをお伝えします。
1.国が先頭に立って改革を進めます
 教師を取り巻く環境整備の加速化に向け、これまで以上に力強く教育予算を確保します。教師の処遇については、約 50 年ぶりの抜本的改善に向け今後議論を深めていきますが、今からすぐ取り組めることとして、大幅な教職員定数の改善や支援スタッフの大胆な配置充実、教師のなり手の確保に向けた取組を進めます。
 また、国・地方自治体・各学校が行う業務の精選・見直しを国が率先して示します。今回の中央教育審議会の提言でも、学校行事の真に必要なものへの精選・見直し、登校時間の見直し等が例示されています。「やめようと思っても、様々な理由によりやめられない」との声は私にも届いていますが、働き方改革そしてその先のより良い教育につながる取組は、文部科学省として全力で応援しますので、このメッセージを業務改善に向けた旗印としてご活用ください。
2.学校・教育委員会は、できることは直ちに実行を
 働き方改革は国だけでは進みません。改めて、一人一人の教師の勤務時間管理及び健康管理、業務分担の見直し等の責任を有しているのは各校長であり服務を監督する各教育委員会であるということを、すべての校長先生及び教育長の方々にご確認いただきたいと思います。これまでの取組で効果の見られた好事例は相当蓄積されており、徹底した実行に移すべき時です。提言では、例えば、標準授業時数を大幅に上回っている教育課程編成の見直しをはじめ各主体において求められる対応が整理されておりますので、各学校の課題を踏まえ、今からできることは直ちに着手いただきますよう、お願いします。
3.保護者・地域住民の皆様へ
 デジタル化の進展など急激に変化する時代の中で、今学校は、子供たちが主体的で創造力豊かに次代を生きる力を育てるため、教育の質の向上に取り組んでいます。教師が教師でなければできない業務に集中してこの課題を達成するため、学校・家庭・地域の連携分担や学校の働き方改革が必要であり、皆様の力がこれまで以上に求められています。更なる連携・協働のためには、国や地方自治体がメッセージを発するとともに、学校が保護者・地域住民の皆様とより積極的にコミュニケーションを図ることが必要です。その際、業務の優先順位を踏まえた思い切った精選・見直しや教師と保護者・地域住民の皆様との役割分担の見直し等の相談についても、ご理解とご支援をいただければ幸いです。

                  令和5年(2023 年)8月 29 日
                  文部科学大臣 永岡 桂子

文部科学省ホームページより

福島県教育委員会の取組

 福島県教育委員会では、令和3年度から令和5年度までの3年間を取り組み期間とした「多忙化解消アクションプランⅡ」を策定し、教職員の時間外勤務時間の削減に取り組んでおり、公式noteにおいても、県教育委員会から保護者・地域の皆様への教職員多忙化解消を実現するためのメッセージを4月に発信したところです。

働き方改革に向けて、県内の学校も動き始めています

 県立学校のnoteでも、自校の働き方改革の取組を紹介しています。
 1つめは、猪苗代支援学校のサーベイフィードバックという手法により、教職員が幸せに働ける職場づくりに対話を通して取り組んでいく事例。業務改善のアクションプランにより、ゆとりと見通しを持って子どもたちのことを考えたり、授業の準備をしたりする時間を作り、先生方自身のウェルビーイングを目指そうとするものです。

2つめは、会津支援学校「チリツモ(塵も積もれば山となる)プロジェクト」。朝の欠席や遅刻の連絡方法を電話からGoogleFormsに変更、週2回の「ステートメントタイム」で、教員同士が今日の退勤時刻(予定)を宣言、さらには、スクール・サポート・スタッフや校務員さんの協力や事務室との連携などにより、超勤時間が少しでも削減できるような工夫をしているそうです。明るく笑顔で「働き方改革」。いいですね。

3つめは、いわき総合高校AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)ワークショップの手法を用いた教職員研修会。この研修会は、令和7年度に新設される統合校の具体的なあり方について、先生方みんなで考えていくためのもの。すでに6月に第1回目を開催し、今回も外部からサポーター講師をお招きして行ったそうです。先生方で思いを共有する姿勢が、統合校を「自分たちの学校」にしていくための取組として、働き方改革にもつながっていくのだと思います。


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