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100年の歴史と伝統を礎に、次の100年へ向けて                   福島県立安達高等学校

 安達(あだち)高校は今年(令和5年)、創立100周年を迎えました。二本松にあるのになぜ「安達高校」なのか? それは旧制「安達中学校」が、ここに中学校が欲しいという地域住民の熱望により当時の安達郡下28町村で総額約27万円(現在だと約11億円に相当)の寄附を集めて設立された学校だからです。旧制安達中学校は大正12年3月3日に文部大臣より設立認可をうけ、4月16日に第1回入学式が挙行されました。100年前に地域から望まれて設立された本校ですが、さらに今後100年の歴史を書き加え充実させようと、安達高校生はがんばっています。その一端を今回ご紹介します。

1 創立100周年記念事業に関連して

(1)「百年桜」お披露目会と吹奏楽スプリングコンサート

 創立100周年を記念して、桜の記念植樹が行われ、4月にお披露目会が行われました。この桜は「百年桜」と命名され、毎年行っている吹奏楽部のスプリングコンサートも併せて行われました。

(2)創立100周年記念イメージキャラクター

 創立100周年を記念して、イメージキャラクター(男子・女子)が生徒発案で作られました。昨年行われた公開文化祭「まゆみ祭」では、キャラクターの名前を決める投票が行われました。投票の結果、キャラクター名は「安達 翔(あだち かける)」「安達 真弓(あだち まゆみ)」に決定しました。
 
 なお、記念事業として市民会館で7月20日(木)に海上自衛隊音楽隊の演奏会を、10月28日(土)に記念式典を行う予定です。

2 ユネスコスクールについて

 ユネスコスクールとは、持続可能な社会の担い手を育成するESD   ( Education for Sustainable Development ) を推進する学校です。東日本大震災後に取り組んできた復興教育の諸活動が評価され、2012年に福島県の高等学校では初のユネスコスクールとして認定されました。現在は、「復興教育」、「国際教育」を軸に活動しています。2年次では、個人探究活動の成果を発表するESD公開発表会を開催しています。

 福島第一原子力発電所の視察。事前学習の後、実際に自分の目で原発を見ることができました。震災の被害の大きさ、ALPS処理水の問題、廃炉への取り組みなどを知り、原発や復興への関心が高まりました。

 飯館村(いいたてむら)長泥行政地区除染土再生利用実証実験視察と住民の方との意見交換会。実際の交流を通して生の声を聞き、その想いに心が揺さぶられました。

 いわき震災伝承みらい館と、薄磯・豊間(うすいそ・とよま)地区視察。実際に被災地に赴いたからこそ得られた学びを胸に、自分たちも減災について考えるとともに、震災の記憶を伝え続けなければと強く思いました。 

 JICA国際理解講座。青年海外協力隊員として派遣された4名の講師の先生方をお迎えし、体験談を伺いました。現地の問題、文化、人々について知り、世界に目を向ける良い機会となりました。 

 国際理解講座・マリールイズさん講演会。ルワンダの歴史・現状に触れ、当たり前の日常がとてもかけがえのないものであると知りました。人の生き方、教育の大切さ、世界平和について、深く考えることができました。 

 British Hills 語学研修。例年実施してきた海外研修に代えて行われた研修でしたが、英国の文化・マナーに触れながら生きた英語を学んできました。日本の中ですが、海外を感じることができたとても楽しい研修でした。

 公開ESD発表会。2学年の生徒が探究活動を通して学んだ成果を発表する会で、口頭での発表だけでなく、各自作成したポスターも掲示されました。優秀者は「ユネスコスクール北海道・東北ブロック大会」へ出場し、ポスター部門で最優秀賞を受賞しました。

 1学年 SDGs ポスターセッション。SDGsに焦点を当て、グループでの探究活動の後ポスターを作製し、要点をまとめて発表しました。多くのグループの発表を聞き、問題意識を持って様々な視点からものごとを見る大切さを実感しました。

3 水上スポーツ、カヌー部の紹介

 安達高校カヌー部は、学校から10kmほど離れた場所にある二本松市阿武隈漕艇場(あぶくまそうていじょう)で活動しています。漕艇場までは、トレーニングも兼ねて、各自、自転車で行き来しており、その甲斐あってインターハイ常連校となっています。これまでカヌー部からは、2020東京オリンピックに出場した宮田悠佑選手や北京オリンピックに出場した久野綾香選手をはじめ、日本代表選手を多数輩出しています。まさに、伝統を紡ぎ続けている部活動です。
 私たちが行っているカヌースプリント競技は、流れのない川や湖で直線距離(500mや200mなど)での着順を競う競技です。艇が水面を滑っていくような感覚は、他では味わうことのできない特別なもので、カヌーの魅力の1つです。県内唯一のカヌー場で一緒に高みを目指しましょう。

二本松市阿武隈漕艇場。艇庫もあり、環境の整った中で、練習を行っています。
1日30kmを超える距離を漕ぐこともあります。
バランス感覚はもちろん、体力勝負の競技でもあります。
安達高校だけでなく、二本松実業高校、周辺地域の中学校の生徒と共に練習しています。

※ぜひ学校のHPもご覧ください!


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