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ふくしま教育通信 2023年6月号           リレーエッセイ「音楽と若者の元気の法則」                 教育庁理事兼政策監 菅野 崇

 先日、とある学校にお邪魔した時のこと。スピーカーから、落ち着いた音楽が流れてきた。聞くと、掃除の時間になるといつも流しているとのこと。音楽が鳴っている間はきちんと掃除しましょうね、ということで始まったらしく、今ではこれが無いと掃除の時間になってもいつ始めていつ終わったらよいのか分からないような雰囲気になってしまうらしい。

 音楽が意識や行動にもたらす効果、ワタシの場合「笑点」のテーマ。あの“チャンチャカ・・・”を聞くと、祖父や父が楽しんでいたそばで、明日からまた学校かという日曜夕暮れ時のもの悲しさを覚えていたものである。それが最近では、あのテーマを聞くとワクワクしてくるのである。今やワタシにとって「笑点」は、楽しみなのである。決して“そういう年”になった、というワケではないことは言っておこう。

 大喜利を盛り上げるのは、ベテランならではの機知に富む笑いと勝手に思っていた。実際、こん平師匠、歌丸師匠、圓楽師匠の存在は偉大であった。しかし、三師亡きいま、たい平、宮治、一之輔の若手三師の爆発的な勢いと新しいセンス、機転の速さで笑いをとる様が、月曜に向けてワタシに元気を与えてくれる。

 よく言われるが、若者の活躍は社会に希望を与える。なるほど、いま各地で若き政治家が誕生し、行政を強力にリードしている。産業界では、若き一次産業者、起業家・職人等が新たな価値を創造したり技術を開発したり、またスポーツや音楽・芸術などの分野でも、国境を越えた若者の活躍が人々の心に元気をもたらしてくれる。ワタシにとって「笑点」は、その一つなのである。

 ただ、二ヶ月ごとにワタシを悩ます“若”がいる。それは、「笑点」の反対側で活躍する三兄弟である。ワタシに大好きな「笑点」を我慢させるのもまた、この“若”たちの活躍なのだ。

 若き青葉の眩しい季節。去る五月晴れの週末のこと。町を歩いていると、小学校で運動会が行われていた。自然と、 ♪♪  若い力と感激に 燃えよ若人胸を張れ  ♪♪ という音楽を少年たちの元気な姿に重ねてしまう。実際に聞こえるのは、ワタシの知らないダンスミュージックなのだが・・・
(執筆:教育庁理事兼政策監 菅野 崇(かんの たかし))