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「県庁に みんなの声を 届けよう!」プロジェクトを開催しました(その2)

 福島県教育委員会では、令和5年8月2日(水)に、「県庁に  みんなの声を  届けよう!」プロジェクトを開催しました。
 このプロジェクトは、県内の小学5・6年生を対象としたもので、今年度は「わたしにとっての『ふくしまぐらし。』~ふくしまの魅力とこれからのふくしま」がテーマ。どのようなプロジェクトだったのか、今回はシリーズその2「福島に移住した方と交流」をご紹介します。

1 「ふくしまぐらし推進課」とは?

 交流についてご紹介する前に、「ふくしまぐらし推進課」という名前を聞いたことはありますか?そして、なぜ「ふくしまぐらし」と「ひらがな」で書くのか知っていますか?知っている方、福島県政の情報通をはるかに超えた達人級です!!

 「ふくしまぐらし推進課」は、令和5(2023)年4月に新設した課です。コロナ禍をきっかけとして、新たな働き方としてテレワークが普及しています。仕事を変えることなく地方に移住するという新たな形が出てきたことから、福島県への移住・定住に特化した課として新設しました。
 課の名前を「ひらがな」にした理由は、漢字の「福島」も、ローマ字の「FUKUSHIMA」も、東日本大震災と原発事故により国内外で有名な地名となったからです。そこであえて「ひらがな」にすることで、温かい心や優しさあふれる素敵な土地であることと、柔らかなイメージを持たせています。

2 福島に移住した方と交流
(1)移住の話を小学生にしてくれたのは?

 今回、移住者として小学生と交流してくださったのは、ふくしまぐらし推進課から紹介いただいた丹治さん。
 丹治さんは、福島県福島市出身。東京で就職した後に結婚し、男の子が誕生。コロナ禍により、会社でリモートワークがスタートしたことが後押しとなり、2021年に家族で二本松市へ移住しました。現在は、仕事のほか、ボランティアで地元の子どもたちにプログラミングクラブを開いています。
 はじめに、なぜ福島県へ移住することにしたのか、仕事はどうしたのか、移住してよかったことなどについて、10分ほどお話しいただきました。

(2)福島県に移住した理由
 ①なぜ移住することにしたの?仕事は?

 東京にある(株)SQUARE ENIX(スクウェア・エニックス)という会社に勤務し、令和5(2023)年6月末に出た FINAL  FANTASY  XVI(ファイナルファンタジー16)の開発に携わった丹治さん。福島に移住したのは令和3(2021)年。お仕事はどうしていたのでしょうか。

 「福島でも同じようにゲーム開発を続けていました。新型コロナウイルス感染症拡大によって会社に行けなくなったので、家でも仕事ができるようにしましょうとなりました。家で、ビデオチャットなどで画面越しに相談して内容を決めたり、プログラマーなのでゲームを作っていました」と丹治さん。
 福島に戻ってくる一番のきっかけは、新型コロナウイルス感染症により、リモートワークができるようになったこと。「リモートワークで変わったのが、家族とふれあう時間がたくさんとれるようになったこと。幸せです」と語ってくれました。

丹治さんの経歴紹介の様子(ご家族、携わった仕事、自宅での仕事の様子)

 ②東京と比べて福島での暮らしは?

 東京と福島の両方で暮らした丹治さんから、それぞれの良さについてありました。
 東京の良さは
 ・電車が3分に1本あり乗りたいと思ったら乗れる。利便性がある。
 ・最新のテクノロジーやオフィスなど、最新のものが集まる。
 ・横浜などの観光地や、東京ゲームショウなどのイベントが多い。
 福島の良さは
 ・自然が豊かで、自然とともに遊べる。
 ・子育ての面で施設が充実していて、伸び伸びと育てられる。
 ・施設の利用に待ち時間がなく、低料金で利用できる。
 ・祖父母とすぐに会うことができる。
 ・果物など普段食べているものが新鮮でおいしい。

左:あづま総合運動公園、みずいろ公園、げんきキッズパークにほんまつ でご家族とともに
右:地元の二本松や会津、喜多方などで子どもたちにプログラミングを教えている様子   

 「これまでは、ゲーム開発者になりたい、ゲームプログラマーになりたいと考えたら、東京しか選択肢がなかった。しかし今は、福島に住んで開発しているので、どこにいてもゲーム開発ができる時代。東京に行かなければできないという時代ではなくなってきたのかな」と丹治さん。
 現在は、福島でゲーム開発をするとともに、地元の子どもたちにゲーム開発の仕方(プログラミング)を教えることを楽しんでいるそう。福島での暮らしを堪能中です。

(3)小学生からの質問 ~小学生が疑問に思ったことは~

 丹治さんから話を伺ったあとは、いよいよ小学生からの質問タイム。小学生はどのようなことを質問したのでしょうか。

Q 福島に来て一番楽しかったこと、便利だなと思ったことは何ですか?
A 楽しかったことは、子どもと好きなテニスが思う存分できること。便利なことは、伸び伸びと遊べる場所がたくさんあって、気軽に行けること。

Q 東京と比べて、福島にこういうのがあったらいいなと思うことは?
A 本で勉強するのが好きなので、個人的に大きな本屋がほしい。東京の本屋は日本中のあらゆる本が揃っている。福島にないのが残念。インターネットでどんな本でも買える時代だけど、試し読みがしづらいことが不便かな。

Q ゲームを作っていたときに大変だったことは何ですか?
A ゲームは色んなプログラムを組み合わせて動かすため、組み合わせた結果、問題(バグ)がたくさん出てくる。それを一つ一つ調べて解決するのが大変だけど、解決するとすごく嬉しい。

Q 今と昔で、福島のここが変わったな、というところはありますか?
A 昔は南福島のスーパーに買い物に行っていた。ところが、二本松に食品やおもちゃ、服などを売る大きなスーパーができて便利になった。また東京にしかなかったおしゃれなお店やカフェもできて、便利になった。

Q 子どもとふれ合う時間はどのくらい増えましたか?
A リモートワークになってすごく増えたね。通勤していた時、子どもは1~2歳だったから夜の7時半頃には寝ていて、朝会うくらい。リモートワークになって、朝食も昼食も一緒で、休憩の時に遊んで、晩ご飯も一緒に食べているから10倍くらい増えたんじゃないかな。いい時間がとれていると思います。

Q 福島にはおいしい果物がありますが、東京にはありますか?
A 東京に有名な果物屋さんがあって、全国から仕入れて高級品として売っています。東京では福島と同じ品質のものを食べることはできるし、色んな果物が食べられるけれど、すごく高い。そういうバランスだね。

 福島県では、交流や移住・定住を促進することで、活力ある社会の実現を目指しています。今回の「福島に移住した方と交流」で、小学生はなぜ移住したのか、どんな思いで暮らしているのかなどについて話を聞くことで、福島で暮らすことについて理解を深めることができました。

 次回は「県庁に みんなの声を 届けよう!」プロジェクトその3「意見発表①グループワーク」についてご紹介します。


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