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ふくしま教育通信2024年11月号日々の思い「おいしいリンゴには(秘)ミツがいっぱい?」                 義務教育課長 川井孝寿  

 先日、福島明成高校の生徒さんによるリンゴ(王林)の販売がありました。王林をこよなく愛する私は、家族分と知人へのお土産分として喜び勇んで買い求めました。因みに、王林が福島県で生まれた品種であることをご存じでしたか。
 まあ、それはさておき、リンゴのおいしい季節を迎えました。真っ赤に染まったみずみずしいリンゴは本当に食欲をそそりますね。(王林は青リンゴですけど。笑)
 リンゴが赤くなるためには、日光が必要不可欠です。そこで、リンゴ農家の皆さんは、生育中のリンゴにいかに日光を当てるか、大変な努力をされています。よく知られている品種『サンふじ』の畑では、地面にアルミマットが敷き詰められています。これは反射を利用して、実の下部にも日光を当てるためです。また、葉摘みもします。リンゴの生育には、光合成をする葉はとても大事です。しかし、葉が被さると日光が当たらなくなるため、リンゴに密着する葉は摘み取らなければなりません。さらに、『玉まわし』です。満遍なく日光を当てるために、リンゴの実を直接回します。もちろん実が落ちない程度にですけど。このように、リンゴを赤く色づけするために様々な工夫や努力をしていますが、実は、いかにも高級そうな美しい赤色をまとったリンゴ『ふじ』は有袋栽培、袋に包んで日光を遮断しながら育てます。何か矛盾や不思議を感じませんか。このような矛盾や不思議こそが、子ども達の追究心に火をつけるのです。

 「学ぶことは贅沢な遊びでR(あーる)」これは私が尊敬する、社会科の実践家『故・有田和正先生』の言葉です。先生は子ども達を『追究の鬼』と化す『授業のネタ』を大事にされており、子どもの追究意欲を高める『面白いネタ』の開発、いわゆる教材研究の重要性をいつも説いておられました。若い頃から先生の影響を受けている私は、『面白い』授業を目指して、なお・・教材を模索し続けています。学びの対象への興味関心が高まれば、自ずと追究し、知り得た事実や自分の思考を確かめ、それらを知識として蓄えることができるのは、子どもも大人も同じですよね。前述の有袋栽培の話は、「面白かったね!」と有田先生から初めて声をかけていただいた、私の稚拙な『授業ネタ』の一つです。
 子ども達(学習者)の主体的な学びを支えるためには、まず、教師(指導者)自身の主体性の発揮が必要不可欠であると考えます。私たち自身も『学び出し、学び合って、学びとる』感動のある『贅沢な遊び』を楽しもうではありませんか!

川井課長の宝物


※有田先生の授業の解説動画を作成されているYouTuberさんを見つけたので動画を掲載させていただきます。これを見るだけでも有田先生の授業の面白さがよくわかります。