修明高校と(株)ローソンによる共同開発商品販売報告(ゆずこしょう香るベーコンポテトパン)
令和5年2月21日、修明高校農業科の皆さんが、(株)ローソンによる共同開発商品の販売報告に県庁を訪問し、大沼教育長に開発の経緯やコラボ商品のアピールポイントを語ってくれました。
農業科の生徒みんなで考えた新商品
修明高校農業科は、農作物の栽培、食品の製造実習などを通して、体験的に農業を学んでおり、農業科の生徒全員が農業クラブとして活動しています。
昨年度も株式会社ローソンさんと共同企画の提案をいただき、「福島県といえば桃」という県全体をイメージしたテーマでパンの開発を行いました。今年度も共同企画の提案をいただき、「さらにすばらしい商品を企画したい」との思いから、今年度は農業クラブ全員で取り組み、商品案も学校がある県南地域の特産品に注目したテーマとすることにしました。
まず、農業クラブ189名全員から「あなたの地元の特産品を利用したオリジナルパン」についてアンケートを取りました。地元の特産品を調べ、それらを活かした個性豊かで美味しそうな案が数多く集まった中から農業クラブ役員が検討し、18案をローソンさんへ提出しました。
価格やニーズなど商品化に必要な情報をいただき、最終的に「矢祭町産の柚子を使用したゆずこしょうのパン」と「鮫川村産の大豆を使用したきなこパン」の2案に絞りました。この2案のどちらにするかの検討にも時間をかけました。発案者の生徒と農業クラブ役員で試作品の試食や意見交換を行い、インパクトや特産品への注目度を考えて「ゆずこしょう香るベーコンポテトパン」に決定しました。パンの生地には、福島県のオリジナル品種である「天のつぶ」の米粉を使用し、ゆずこしょうの風味を引き立てる米粉の甘味を味わってもらえるパンになりました。
教育長からの質問
Q1 最も苦労した点は何ですか。
苦労した点は、農業クラブ189名全員から集まった案を絞る作業です。全員が自分の地元の特産物を活かしたパンを考え、高校生らしい個性豊かな案が集まりました。また、どのパンも美味しそうなオリジナルのパンでしたので、どのパンを候補とするのか大変悩みました。ローソンさんへは10案を提案する予定でしたが、絞り切れず18案を提出することとしました。商品化されたのは1つの案ですが、農業クラブ全員で取り組んだ修明高校のオリジナルのパンだと考えています。
Q2 一番の“売り”は何ですか。
柚子の美味しさを多くの人に感じてもらえるように、小さな子供や柚子が苦手な人でも食べやすい味にしました。柚子をゆずこしょうに加工することで、柚子の風味に広がりをもたせ、辛味は少しおさえてあります。ベーコンやポテトとの相性がとてもよく、食べ応えのあるパンになっています。
Q3 どうして、矢祭町産の柚子に注目したのですか。
矢祭町には、特産品としてコンニャクやイチゴ、鮎、地酒などがあります。その中でも最も有名なものは「柚子」です。40年程前に「特産品を作ろう!」と、矢祭町茗荷(みょうが)地区の農家約20人で柚子栽培をスタートさせたそうです。日当たりの良い急斜面を活用した柚子栽培は、矢祭町の土地と気候に合っていて、かつては「北限の柚子」として有名になったこともありました。自分の住む町で一番有名なものを知ってほしいと思い、柚子に注目しました。
Q4 食べて頂く皆さんへ、何を伝えたいですか。
このパンは、福島県の米「天のつぶ」を使用したふわふわ生地のパンに、ゆずこしょうが香る食べ応えのあるおいしいパンです。私たち高校生のアイデアから生まれたこのパンで、食べた人たちが笑顔になってほしいと思います。新型コロナウイルスの影響により、多くの人が我慢や辛い思いをしています。そんな中でも少しでも明るく元気になってほしいと思っています。
Q4 次はどんな商品を開発したいと思いますか。
次は修明高等学校がある棚倉町に注目し、町の特産品であるブルーベリーやイチゴを使った商品開発をしてみたいです。また、町の名所である棚倉城跡や山本不動尊などもPRできるようなパッケージやネーミングにしたいです。
Q5 皆さんの将来の目標は何ですか。
私たちの目標は「農業を楽しみ、その楽しさを多くの人に発信すること」です。農業は生活に欠かせない産業です。私たちは日々、座学と実習を通して知識と体験の両面から農業を学んでいます。特に「総合実習」では地域や企業との連携にも取り組み、とても充実し楽しく学習しています。そうした農業の知識や技術、楽しさを大人はもちろんのこと、小中学生にも発信し、より多くの人たちに農業に興味を持ってほしいです。
修明高校の皆さん、訪問ありがとうございました。これからも農業の学びを通して充実した学校生活を送ってください。