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地域が支える 渡辺ならではの教育活動いわき市立渡辺小学校


記事の概要

 いわき市立渡辺小学校は、昨年度(令和5年度)で創立150周年を迎えた歴史ある学校です。本校がある渡辺町には「青少年育成市民会議渡辺支部」や「渡辺地区ふれあい会」、「防犯協会渡辺支部」などの団体があり、渡辺公民館とも連携を図りながら子どもたちの体験活動を支えてくださっています。今年5月には、「青少年育成市民会議渡辺支部」の取組の1つである「田んぼの学校応援団」が、県内では唯一の環境大臣表彰を受賞しました。その活動を中心に、地域に支えられた渡辺小学校ならではの教育活動を紹介します。

1 「田んぼの学校応援団」による稲作体験

 5年生は、総合的な学習の時間で、「田んぼの学校応援団」の皆様に支えていただきながら、稲作にかかる一連の体験活動をします。田植えや稲刈りを体験する学校は多くありますが、かかしづくりやかかし立て、脱穀やもちつきといった体験まで行えている学校はなかなかないのではないでしょうか。
 こうした活動を通して、子どもたちは、お米ができるまでの一連の流れを体験的に学ぶだけでなく、食への感謝の心、地域の自然の豊かさ、地域の方々の温かさなど、数多くのことを学んでいます。
※ 9月以降の写真は昨年度のものです。

5月、田植え。田んぼ独特の泥の感触を楽しみながら苗を植えました。
6月、かかしづくり。藁が雨で腐らないようしっかり覆うのがなかなか難しいです。
7月、かかし立て。個性あふれる3体のかかしが田んぼを見守ります。
9月、稲刈り。刈る感触の気持ちよさと中腰を続ける大変さを体験します。
10月、脱穀。3種類の脱穀方法を体験し、機械化の有難さを実感します。
12月、収穫祭。臼と杵でもちつきをして、全校生に振る舞います。

2 「渡辺地区ふれあい会」の方々と「ほるる」訪問

 4年生は毎年、「渡辺地区ふれあい会」のおじいちゃん、おばあちゃん達と見学学習に出かけます。今年度は、2年ぶりに営業再開となった「いわき市石炭・化石館『ほるる』」に出かけました。見学をしながら、おじいちゃん・おばあちゃん達から昔のことを教えてもらったり、おじいちゃん・おばあちゃん達にも楽しんでもらうにはどうすればよいか、自分たちの立ち振る舞いを考えたりと、異年齢交流ならではのよさを存分に味わうことができました。

同年代の子と見学するのとはまた違った楽しさや学びがありました。

3 渡辺小の伝統「和太鼓」

 4年生になると、渡辺小では和太鼓の学習をします。子どもたちのお父さん、お母さんも経験されている、渡辺小学校が誇る伝統の一つです。4・5年生は1学期から、6年生は2学期から和太鼓の練習に取り組み、その成果を11月の渡辺町の文化祭に当たる「霜月祭」で披露します。
 今年度から、指導してくださる地域の方が代わり、4年生から新しい曲に挑戦することになりました。5・6年生はこれまで演奏してきた曲に、さらに磨きをかけていきます。4年生は、これまでの先輩方の和太鼓に対する想いをしっかり受け継ぎつつも、「新しい伝統のスタートは私たち」と、日々練習に励んでいます。

演奏する時のピンと張りつめた空気感、これこそ渡辺小の伝統の証です。

4 その他にもたくさん支えてもらっています

 1~3年生は、渡辺地区ふれあい会会長さんにお世話になり、サツマイモの苗植えや干し芋づくりを体験します。干し芋まで作る学校はなかなかないですよね。
 6年生では、防犯協会渡辺支部長さんがアドバイザーとなり、じゃがいもの種芋植えから収穫までをサポートしてくださいます。さらには、渡辺町の史跡をめぐるフィールドワークの際も、アドバイザーとして案内と解説をしてくださいます。
※ 11月以降の写真は昨年度のものです。

5月、1~3年生のサツマイモの苗植え。収穫が楽しみです。
11月、1~3年生のサツマイモ掘り。大きなイモは友だちと協力して掘ります。
11月、3年生の干し芋作り。アツアツのうちに皮をむき、スライスして並べていきます。
6年生のフィールドワーク。地元渡辺町の歴史を知ることができました。