「ゴールデン・ウィーク雑感」 教育庁理事兼政策監 伊藤 賢一
今年のゴールデン・ウィーク、皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか?
個人的な話で恐縮ですが、我が家で今年のメインとなったのが、親子3人で初めての双葉地方日帰り旅行です。
というのも、双葉地方には、震災後、中間貯蔵施設等かなり密に携わってきたという思いがありつつ、令和2年に息子が生まれて以来、なかなか私的に訪れることができずにいたのが、ようやく最近、子どもを連れての旅行もだいぶ行程に融通が利くようになってきたということで、満を持して(?)向かいました。
今回、自分も初めてとなるのが、「東日本大震災・原子力災害伝承館」と「震災遺構・浪江町立請戸小学校」でした。
本来じっくり時間をかけて見たいところではありましたが、子どもが大人の動きに合わせてくれるわけもなく、両施設とも足早に見て回り、外の植え込みや草むらで虫探しに付き合って過ごしました。
まあこのあたりは想定の範囲内というか、展示の中には保護された犬の写真など興味を示したものもあったので、今回は十分かなと納得しています。
数日後、東日本大震災及び原発事故発生時に幼児だった県内外の高校生を対象にした震災や原発事故への理解度調査結果に関する新聞報道がありました。
記事では、県内でも高校生世代と20歳以上との間に認識の断絶が起きているとして、記憶継承の問題や震災時の実体験が乏しい若い世代に意識して知識や関心を高めることの必要性などが指摘されていて、一つには経験した者が他人任せでいては将来世代への伝承は難しいということを示唆しているように感じられました。
そんなタイミング的なこともあって、家庭レベルでの伝承ということを我が子の顔を見ながら改めて考えてみると、昨年は南相馬市の「なの花めいろ」に行ってきたことも思い出されて、そうした記録や記憶とともに、これからも子どもの成長に合わせて意識的に機会を重ねて、自然と染み込むように共有していければいいかなと(そもそも子育て自体が思うようにいかないことの繰り返しですが)思ってみたところでした。
ちなみに、息子に「今日は何が楽しかった?」と聞いたところ、「(帰り道で)アイスクリームを食べたこと!!」と即答で返ってきました(笑)