見出し画像

川内小中学園および楢葉小学校 教育長訪問

令和5年6月9日(金)、福島県教育委員会 大沼博文教育長が川内村立川内小中学園と楢葉(ならは)町立楢葉小学校を訪問しました。
双葉郡にある両校は、東日本大震災後に避難、他地区での学校生活を経験している学校です。

義務教育学校 川内村立川内小中学園

川内小中学園は、令和3年4月に川内小学校と川内中学校が統合してできた義務教育学校です。

川内村立川内小中学園

「未来を創る」の教育目標のもと、義務教育学校のメリットを生かし、「川内ならでは」の特色ある教育を進めています。
1年生から9年生までの児童生徒が、廊下の広い大きな校舎でのびのびと学んでいます。
学校の隣には認定こども園もあり、普段からお互いに行き来することで小1プロブレムの解消にもなっています。
授業ではICTを活用しつつも、児童生徒同士や、児童生徒と教師の対話が中心となって進められていました。

自分の考えをタブレット端末に入力する児童

6、7年生は総合的な学習の時間に、長崎大学附属小学校の児童とオンラインで交流授業を行っていました。8月には実際に長崎を訪問し、「復興子ども教室」が実施されるそうです。

長崎大学附属小学校の児童と仮想空間での交流をする6、7年生

楢葉町立楢葉小学校

楢葉小学校は、令和4年4月に、楢葉南小学校と楢葉北小学校が統合してできた学校です。

楢葉町立楢葉小学校

教育目標は「かしこく やさしく たくましく~Challenge Change~」。
楢葉小学校でも川内小中学園同様にICT活用が進んでおり、子どもたちはいつでもタブレット端末が使える状況になっています。

5年生の図画工作科の授業では、自分たちで作成したコマ撮りアニメーションを発表していました。友達の作品を見た感想をタブレット端末に記入し、全体で共有するなど、1人1台端末の導入によって子どもたちの学びの変革が着実に進んでいることがわかりました。

作品鑑賞の感想をタブレット端末に入力する児童

昨年の開校と同時に、子どもたちと地域の方との交流の場を創設するため、楢葉小学校内に「地域学校協働センター」が開設されました。
ここでは放課後子ども教室や地域サロンが開設され、子どもたちが地域の方々とつながる場所となっています。

子どもたちと地域の方との活動の様子が展示されているセンター内

午後の視察

午後は、楢葉町にある「楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム『大地とまちのタイムライン』」と「株式会社福島しろはとファーム」を視察しました。

楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム「大地とまちのタイムライン」

4月に開館したこのミュージアムでは、楢葉町と東京大学総合研究博物館が所蔵する鉱物、植物、土器など、地球の誕生から人類が生み出す文化までを時系列で展示しています。

学芸員による解説

株式会社福島しろはとファーム

福島しろはとファームは、震災後、楢葉町でさつまいもの大規模栽培に取り組んでいる会社です。
楢葉町甘藷(かんしょ)貯蔵施設(世界最大のさつまいもの貯蔵施設)にて、楢葉町で展開している事業や地域の子どもたちとの交流について説明していただきました。

楢葉おいも熟成蔵(楢葉町甘藷貯蔵施設)
約1,200トンのさつまいもを貯蔵することができる貯蔵室

今回は、震災の影響を強く受けた地域への訪問となりました。
避難による児童生徒数の大幅な減少や生活環境の変化など、課題は様々ありますが、今回訪問した両校では、他者との対話や協働を通した学びをはじめ、1人1台端末の活用、地域との連携など、「学びの変革」に向けた取り組みが多く見られました。

福島県教育委員会では「福島ならでは」の教育を掲げています。
この訪問では、「川内ならでは」「楢葉ならでは」のように、その地域に根ざした教育がなされていることが強く印象に残った一日となりました。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!