「県庁に みんなの声を 届けよう!」プロジェクトを開催しました(その1)
福島県教育委員会では、令和5年8月2日(水)に、「県庁に みんなの声を 届けよう!」プロジェクトを開催しました。
このプロジェクトは、小学5・6年生を対象としたもので、例年(コロナ禍による中止を除く)夏休みに行っています。今年度は「わたしにとっての『ふくしまぐらし。』~ふくしまの魅力とこれからのふくしま」がテーマ。プロジェクトのメインは、テーマについてグループで意見をまとめ、知事や教育長の前で発表すること。どのようなプロジェクトだったのか、4回に分けてご紹介します!!
※このプロジェクトについては、福島テレビ(FTV)の「キビタンGO!」で8月30日(水)20時54分~20時58分に放送される予定です。ぜひご覧ください。
1 令和5年度のプログラムは?
令和5年度は、以下のプログラムで行いました。
(1)オリエンテーションと開式
(2)危機管理センターの見学(施設見学&防災VR体験)
(3)福島に移住した方と交流
(4)意見発表①(グループワーク)
(5)意見発表②(知事・教育長等の前で発表)
(6)写真撮影
(7)修了式
2 オリエンテーションと開式
今回の会場となったのは、危機管理センターの「災害対策本部会議室」。昨年度まで「福島県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議」が行われていたので、テレビの報道番組でよく映っていた場所です。
最初に、大沼教育長からプロジェクトに参加した小学生を歓迎する挨拶がありました。「福島県では昨年度から新しい『福島県総合計画』がスタートしました。県では目指す将来の姿の実現に向けて、『ひと、 暮らし、 しごと』の3つの視点でふくしまの未来を創っています。そこで今年度は、3つの中から『暮らし』に着目しました。福島のよい点や魅力は何か、これからどのような福島になってほしいかについて、豊かな感性と自由な発想で、すばらしいアイデアを出し合ってください」と大沼教育長。いよいよプロジェクトの開始です。
3 危機管理センターの見学
プログラムのメインの一つである、危機管理センターの見学と防災VR(バーチャル・リアリティ)体験。
危機管理センターとはどのようなところか、ご存じですか?
災害発生時に、消防・警察・自衛隊などの関係機関と連携して、災害に関する情報を集め、迅速かつ的確な対応を行う福島県の災害対策の拠点です。
東日本大震災後に作った施設で、震度7の揺れを震度4程度の揺れに抑える免震構造をはじめ、停電に備えて72時間の非常用発電設備を設置。さらに災害対策本部の活動を維持するために、職員の3日分の水・食料等を備蓄。災害に強い施設となっています。
(1)「一つしかない命をどう守るか」考えよう!
①東日本大震災とは
平成23(2011)年に起きた東日本大震災。今回参加した小学5・6年生は震災後に生まれた子どもたちです。津波の特徴について、高さ9mの場合はマンション3~4階に相当すること、通常の波と異なり100m~数kmにわたって高い波がずっと襲ってくることを、映像を見ながら学びました。
②適切に備えるとはどういうこと?
「地震起きないで」、「雨いっぱい降ってきたけれど、川があふれそうだからストップ」と思っていても、現代の科学技術ではできません。
しかし、「適切に備える」ことで、みんなの大切な「命は守る」ことができるかもしれません。では「適切に備える」とはどういうことでしょうか。今回は2つありました。
・「ハザードマップ(防災マップ)」を確認しよう。
・「どういう状況になったら誰が何をするか」を日ごろから考えよう。
一つ目の「ハザードマップ」について、ポイントは色。災害(洪水、土砂災害、津波など)が起きたとき、どのようなリスクがあるのか一目で分かります。自分の家・学校・保護者の方の職場はハザードマップで何色なのか、避難所はどこで、どの道を通れば安全に避難所に行くことができるのか確認しよう、との話がありました。
二つ目は「どういう時に誰が何をすればいいのか」、『ふくしまマイ避難ノート』を活用して日ごろから考えよう、とありました。年齢、家族構成、住んでいる場所など一人一人異なります。日ごろから、家族の誰が避難所の開設情報を入手するのか、誰がガスの元栓を閉めて戸締まりを担当するかなど、避難行動計画を家族で考えることが大切。
さらに、避難するタイミングを考える上で重要なのが警戒レベル。レベル3もしくは4になる「までに」避難しよう、とありました。
③防災VR映像の視聴 ~「水害」編~
いよいよ防災VR映像の視聴。今回は雨がたくさん降ったときに起きうる「水害」についてのVR映像を視聴することで、災害を疑似体験しました。
VR映像は、「大雨特別警報が発令されてから避難所に行く準備を始めたAさんが登場人物。準備に時間がかかっているうちに水位が上がり、避難所に行けなくなったため、自宅の2階に避難。外から変な匂いがし始めたなと思ったら、山側の部屋に土砂が襲ってきた」という内容でした。
VR映像から、何が問題だったのか、どうすればよかったのかについて考えました。避難するときに何を持って行くのか(財布・携帯・薬・服・・・)など、避難の準備は、災害が起きる前に、日ごろから行っておくことが大切です。
(2)施設や設備の見学
最後に、職員の3日分の水・食料等を備蓄している「備蓄倉庫」と、防災グッズや段ボールベッドを展示している「展示スペース」を見学しました。展示スペースには、お湯または水さえあれば、ふっくらご飯ができあがる「アルファ米」を始め、保存食のお菓子、助けを呼ぶホイッスル、断水時に使う給水タンク(給水袋)、洗い流さないシャンプー(ドライシャンプー)などが。また車載用として、簡易トイレなどもありました。
福島県では、東日本大震災の経験や教訓を伝えて風化防止につなげるとともに、防災意識を高めることで、安心して暮らせる地域づくりを進めています。今回の危機管理センターの見学を通して、小学生は災害が自分に起きるかもしれないと「自分事」として考えることで、災害から身を守るにはどうすべきか、「命を守る」行動とは、について学びました。
次回は「県庁に みんなの声を 届けよう!」プロジェクトのプログラム(3)福島に移住した方と交流、についてご紹介します。