高校生、地域を盛り上げる。
福島県いわき市の南に位置する植田町では、5月5日のこどもの日に数年ぶりとなる「復興・交流祭 『第45回歩行者天国』」が開催されました。
この歩行者天国は昭和48(1973)年に始まったもので、5月5日の植田町の恒例行事。東日本大震災があった平成23(2011)年も、震災からわずか数ヶ月という中で(いわき市は3月11日に続き、4月11日も震度6弱の地震が発生)、子どもたちのためにと中止にすることなく開催した、植田町の風物詩です。
当日は、本町通りの約400mの区間が歩行者天国となり、飲食や雑貨などのお店が並んだほか、初期消火体験ができる消防署コーナー、パトカーや白バイに乗って写真撮影ができる南警察署コーナー、そして芝浦工業大学 Presents ウォールアートをはじめ、地元企業や双葉町観光協会などがブースを設け、歩けないほどの賑わいとなりました。
福島県立磐城農業高校生 ~地球にも肌にもやさしい~
メインステージの近くに出店した、磐城(いわき)農業高校生の「磐農(ばんのう)ストア」。
磐城農業高校といえば、令和4(2022)年度に、和牛のオリンピックと呼ばれる「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」に出場し、高校と農業大学校を対象にした「特別区」の部門で優等賞を、また牛の優劣を目利きする実技である「和牛審査競技会(高校生の部)」では全国の高校生の頂点となる最優秀賞を獲得した学校です。また、産学官連携も活発で、福島県オリジナルのお米「福、笑い」の生産・販売をはじめ、地元企業とコラボして新商品を開発する「高校生プロジェクト」も毎年盛んに行っています。今年はどんな商品を開発するのでしょうか。楽しみです。
今回の歩行者天国では、献血の呼びかけをはじめ、オクラ、ナス、ピーマンなどの苗の販売と開発した商品を販売。目玉は、学校で栽培した規格外の「梨」を配合して作った「洗顔石けん」(800円税込)。アピールポイントは「職人が一つ一つ作るマルセイユ石鹸製法。発泡剤等不使用。大量生産型じゃない。肌のうるおい保ち、柔らかな洗顔を。フードロス&SDGsも」とのこと。地球にも肌にも優しい「磐農の生徒たちが育てた梨の石けん『磐農ソープ』」いかがでしょうか?
福島県立勿来工業高校生 ~自分に厳しく子どもにやさしく~
磐城農業高校の隣りにブースを構えたのが、勿来(なこそ)工業高校。
勿来工業高校といえば、令和4年12月27日~令和5年1月7日にかけて花園ラグビー場で開催された、『第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会』に福島県代表として出場した学校です。25年ぶり6回目の出場を前に、3年生の主将が先生方とともに県庁を訪れ、知事と教育長に意気込みを語ってくれました。
さらに勿来工業高校は、工業高校ならではの資格取得も盛んです。なんと令和4年度「第一種電気工事士 全国高校生合格者ランキング」で、全国で第8位(東北では第1位)となりました(電気書院調べ)。また今年の7月には、「高校生ものづくりコンテスト」旋盤作業部門の全国大会出場をかけて、機械科の3年生が青森県で行われる東北大会に出場します。勿来工業高校生の活躍から目が離せません。
歩行者天国では、電気科、工業化学科、機械科、建築科の4つの科が体験コーナーを設置。午前の部は、工業化学科の「スライムで遊ぼう」と電気科の「テーブルタップ製作体験」が、午後の部は、機械科の「金属加工品」と建築科の「木工体験」が開催されました。小中学生をはじめとする子どもたちはとても楽しそうに製作。何をどのような手順で作っているのかな、高校生は一体どんな言葉をかけているのかもっと近くで聞きたいなと思っても、近寄れないほどの盛況ぶり。席に座って体験したくても「中学生以下対象」と書かれた文字がそれを阻む・・・。
そのほか、ステージでは東田(あずまだ)保育園の和太鼓や、植田小学校の吹奏楽などが披露され、数年ぶりとなる「復興・交流祭『第45回歩行者天国』」は大盛況のうちに幕を閉じました。
磐城農業高校と勿来工業高校の皆さん、連休のさなかに歩行者天国を、地域を盛り上げてくれてありがとう!
ぜひ福島県立磐城農業高校と、福島県立勿来工業高校のホームページもご覧ください。