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2024年 5月号                    目の前の景色            財務課 松山 政行 課長

 例年4月中旬頃になると、福島市の西にそびえる吾妻連峰のひとつ、吾妻小富士(標高1,707m)の山肌に、春の風物詩である「雪うさぎ」が姿を現します。市内に暮らす自分も、通勤の際などに吾妻小富士のある景色を楽しんでいるのですが、それだけでは物足りず、ここ最近は毎年のように足を運んでいます。
 登山口となる浄土平までは、市内から磐梯吾妻スカイライン(無料)を通って約1時間の距離。そこから整備された木道階段を10分も登れば、あっという間に火口壁に到着します。お鉢巡りを含めても1時間ほどなので、時間に余裕のあるときは、日頃の運動不足を猛省しながら一周しています。

吾妻小富士の登山口(浄土平)          吾妻小富士の火口  

 山頂からは、近くの山々や福島盆地を一望できます。まさに絶景!目の前に広がる雄大な景色を見ていると、何事もなんとかなる!と心も軽くなります。気力、体力、天気の運に恵まれた時は、一切経山(標高1,949m)に登ることもありますが、こちらでは、いつも見上げる吾妻小富士が東の眼下にあり、神秘的な「魔女の瞳」も待っています。行く度に多彩な表情を見せてくれ、新たな発見があって飽きることがありません。
 いつも街中から眺めている景色。自分にとっては、それが自然で何ら違和感を持たない景色なのですが、見る場所や方角を変えるだけで、普段とは全く違った一面が見えてくる・・・。当たり前と言えば当たり前のことなのでしょうが、こうした景色に出会うと、何とも新鮮で不思議な感覚を覚えます。

一切経山から吾妻小富士を見下ろす       「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼  

 今、教育委員会では、「働き方改革」に取り組んでいます。私たち一人一人、「意識を変える」必要がありますが、これまでの固定観念を覆すのは容易ではありません。思い切ってやり方を変えることが肝要ですが、ハードルが高いと感じるなら、まずは「目の前の景色を変える」のも一法ではないかと思います。例えば、身の周りの整理や席替えなど。ちょっとしたことでも、景色が変わることで新たな気付きが生まれ、意識の変化、行動の変化へとつながっていく・・・。
 何事もすぐに効果が現れるわけではありませんが、最初から諦めずに、できるところからやってみる、そうした取組みの先には、きっと素晴らしい景色が待っていてくれると思っています。

一切経山山頂からの福島盆地