『未来をつくる小学生』田村市都路町における教育復興の軌跡
2011年の東日本大震災以降、避難指示等が発令された地域では、今もなお避難生活を余儀なくされている方もおりますが、避難指示解除等に伴い、順次住民の帰還や学校再開も進んでいます。
田村市都路町も避難指示が発令された地域の一つです。震災以降、都路町の小中学校は市内の別の校舎等で教育活動を続け、2014年4月に元の校舎へ戻り、入学式を迎えることができました。
3年ぶりに都路町に戻った児童生徒はどのような様子で校舎に向かい、教職員はどのような思いや願いを持って児童生徒と向き合っていたのでしょうか。
11月28日(木)、元田村市立小学校長・根内喜代重先生、福島大学名誉教授・境野健兒先生が大沼教育長と面会し、田村市都路町の震災からの復興の経過を綴った『未来をつくる小学生~震災が問いかけた都路の学校と地域~』(筑波書房・根内喜代重氏著)の出版に際して、著書に込められた想いを伝えに来られました。
根内喜代重先生は、都路町での小学校再開時、古道小学校の校長先生をされていました。学校再開時、都路町に戻った子どもたちは「都路が好きだ」、「自分たちが地域の力になる」という想いを語っていたようです。
学校は地域の活力になると言います。第4章のタイトル「私たちが地域の力になる」にあるように、震災が問いかけた「地域」と「学校」の在り方という視点は、福島県内のみならず、地方創生を問われる全国の地域において欠かせない視点となっています。
児童生徒の想いを教職員はどのように受け止め、地域とともにある学校づくりを進めてきたのでしょうか。本著には教育復興の軌跡、そして地域と有り続ける学校の姿が綴られています。ぜひご一読ください。