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ふくしま教育通信 2023年9月号         日々の思い「○○年ぶり! 新たな風を、新たな気持ちで」                  社会教育課長 鈴木 正和

 夏の風物詩のひとつ、高校野球。今年も高校野球観戦(テレビ中継です)に魅了された夏季休暇となりました。4年ぶりの声出し応援により、暑い甲子園球場がさらに熱を帯びている様子が、画面を通して伝わってきました。この応援の力が、名勝負、好プレー等数々のドラマを生むのでしょう。そして、甲子園を応援一色にし、107年ぶりに優勝を果たした慶応高校は、高校野球に「エンジョイベースボール」と「自分で考える野球」という新たな風を吹き込みました。100年以上もの歴史のある高校野球において、指導者の考え方や練習方法、野球スタイルも変わりつつあることを感じました。

 私自身もこの夏、「35年ぶり」がありました。それは、新採用の時に担任した教え子との初めての同窓会です。当時5・6年生の教え子も、今は40代後半のいい大人で、容姿がすっかり変わっていた子ども?たちでした。その中での私からの話題は、宿泊学習や最後の運動会など、学年や学校の行事がほとんどなのですが、意外にも子どもたちは覚えていないものです。それよりも「代表の挨拶を、すごく褒めてもらった」とか、「陸上の練習でしごかれたけど、ゴールしたときに一緒に喜んでくれた」など、その子だけの声かけや、その子にとっての特別な関わりが、いつまでも記憶に残っていることに気づかされました。子どもと何でも一緒にやろうというつもりではいましたが、その子にとっての関わりをしていたのだろうか・・・。35年ぶりに会った子どもたちとの会話から、当時の自分を恥ずかしく思うのと同時に、改めてその大切さを自覚させられました。

 「○○年ぶり」という言葉で、大切にしてきた当時の思いを確認するとともに、今の流れとの違いやズレに気づかされることがあります。特に3年間コロナ禍により制限され、これまでの動きが止まっていた今だからこそ感じることだと思います。4年ぶりに動き出した今、何を大切にするのか、変わるべきなのか・・・分岐点となることが多いことでしょう。新たな気持ちで、新たな視点を持ちながら。それでも初心は忘れないように!
(執筆:社会教育課長 鈴木 正和(すずき まさかず))