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ふくしま教育通信 2023年6月号           日々の思い「季節の恵み」                            施設財産室長 原 哲朗

 4月、5月は日中の時間が長く、気候も穏やかで、本当によい季節であると思う。ヒア・カムズ・ザ・サン。これで大丈夫さという気持ちになれる。
 しかし、仕事面を考えると、明るい陽ざしとは裏腹で年度末、年度始めの業務多忙や人事異動による環境の変化などで心が落ち着かない時期でもある。
 希望と不安が入り混じる複雑な時期ではあるけれど、せっかくのよい季節、あっという間に過ぎ去ってしまうのだから、楽しむべきは楽しんだほうがよいに決まっている。

 この時期に楽しみにしているものの一つが山菜である。雪解け時期のふきのとうで春の訪れを感じて、ゴールデンウィークの頃に山菜の旬のピークがやってくるように思う。
 絵本「ぐりとぐら」ではないけれど、「このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること」であると思っていて、春の山菜は料理のやり甲斐があり、何よりおいしい。
 今年のゴールデンウィークは、数年ぶりで訪ねた親戚からたくさんの山菜をいただいた。その山菜は親戚宅の敷地に自生しているものがほとんどで、妻は叔母と葉物の山菜を摘み、私は叔父と裏山で筍掘りをした。取れたての山菜をいただいたことはもちろん嬉しかったが、自然とその恵みの中で生活している親戚をとても豊かに感じた。

左から、しどけ、うるい、みつば、タラの芽、コシアブラ、たけのこ、うど、ふき

 山菜は天ぷらや煮物、おひたしなどでおいしくいただいた。山菜の香りや味わいは、山や渓谷の風景が思い浮かぶと同時に遠い記憶がよぎる瞬間がある。自然、四季そして、忘れ得ない人たちへの感謝の気持ちに包まれる。
 今年のゴールデンウィークも心の充電はできた。次の季節の楽しみを心の糧に元気を出していってみようと思う。
(執筆:施設財産室長 原 哲朗(はら てつろう))