自然首都・只見に位置する高校と輝く生徒たち 福島県立只見高等学校
記事の概要
本校は全日制普通科各学年1学級、全校生徒85名(令和6年度)の小規模な学校です。しかし、その人数からは想像できないような多様な生徒たちが、非常に活発で充実した学校生活を送っています。そのような学校生活を可能としている要因とは、一体どのようなものなのでしょうか。今回はそんな只見高校の魅力をご紹介します!
1 「地域みらい留学」って何?
~只見町山村教育留学制度~
「地域みらい留学」は、日本各地にある魅力的な公立高校の中から、住んでいる都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった高校を選択し、高校3年間をその地域で過ごす国内進学プログラムです。現在ではおよそ130校を超える高校がこの制度を利用しており、只見高校もそのうちの1校として留学生を受け入れています。
只見町山村教育留学制度は平成14年度から実施しており、留学生たちは美しい自然や豊かな文化に溢れた魅力ある地域で、立場や世代を超えた多様な人々に囲まれながら高校生活を過ごします。少人数、かつ、地域に開かれた教育の中、多様な経験と挑戦の機会があることで、高校生一人ひとりの個性と自立心が育まれます。
また、只見高校には教師と生徒の距離が近く生徒一人ひとりに目が行き届くという強みがあります。只見町では地元生徒との交流促進を図り、学校や家庭が活性化すること、また只見町を第2のふるさととして生涯を通じて交流が続くことを期待しています。そのため、地域においても留学生を特別視せず、町民の一人として充実した教育活動に専念できる環境を整えています。
2 地域協働推進校だからできること
~総合的な探究の時間~
本校では「立て!グローカル・リーダー」というスローガンを掲げ、グローバルな視点からローカルを創造し、リーダーとして活躍できるグローカル・リーダーの育成を目指しています。ユネスコエコパークに認定された只見町の豊かな自然環境の中で、生徒一人ひとりへのきめ細やかな教育を行っています。生徒が希望する進路を実現できるよう、教職員だけでなく公営塾での学習支援など只見町からも厚い支援を受けているとともに、総合的な探究の時間においても様々なサポートを受けています。この探究の時間では地域協働推進校の機能を生かし、地域の皆様からのご支援のもと「食・農業」「観光・暮らし」「自然・防災」の3つの大テーマで活動しています。年度末には次年度の学年への引継ぎも行っており、長期的なプロジェクトや持続可能な学びが可能となっています。
3 小さな学校の大きな可能性
~部活動の活躍~
部活動は野球部、剣道部、卓球部、バレーボール部(女子)、総合文化部の5つで、生徒たちは一生懸命に活動に取り組んでいます。町民や県民を勇気づけてくれるような、そんな部活動の頑張りを一部ご紹介します。
昔から野球と剣道が盛んな土地柄で、外部コーチの指導の下、県大会上位進出を目指して日々練習に励んでいます。
野球部は町営球場を広々使い、毎日ナイター設備が使用できる環境の中でのびのびと練習ができます。2021年の県大会でベスト8に進出し、2022年3月に開催された春の甲子園に21世紀枠で出場しました。また2024年夏の大会では、16年ぶりのベスト16という活躍を見せてくれました。
剣道部は2024年、インターハイ予選の県大会で女子個人戦ベスト8に入賞し、只見高校では初めての東北大会出場を勝ち取りました。
男女卓球部、女子バレーボール部も毎年各中学校でしっかりと基礎を身につけた生徒が入部しており、部員が決して多くはない中、県大会の上位に食い込もうと奮闘しています。
また、総合文化部のパソコン班は只見高校での学校生活の魅力を発信するコンテンツ作成、茶華道班は校内外でのお茶出し等に向けて、外部指導員の先生のご指導の下、お茶の点て方や作法の稽古をしています。