演劇によるコミュニケーション能力育成事業モデル校レポート(南相馬市立原町第二中学校)
福島県教育委員会では「演劇によるコミュニケーション能力育成事業」を展開し、県内の小学校1校、中学校2校、高等学校3校をモデル校として指定し、県内の児童生徒のコミュニケーション能力を高める実践に取り組んでいます。
今回は、モデル校の一つ「南相馬市立原町第二中学校」で12月5日に行われた実践を紹介します。
講師であるNPO法人PAVLIC(パブリック)の皆さんと、明るく元気なあいさつを交わしていたのは原町二中の2年生です。今日が初めての活動となります。
NPO法人PAVLIC(パブリック)とは、演出家、実演家、ワークショップデザイナー等で組織され、全国の小・中・高等学校等で舞台芸術表現を通じた「参加体験型学習=ワークショップ」の実践を行い、社会で必要とされる「コミュニケーション能力」の育成に取り組んでいる団体です。外部講師として本事業に御協力をいただいています。
さて、早速始まった活動。じゃんけんゲームや仲間づくりゲームなどで体を動かしながら、楽しく活動しました。
この活動は、友達を操るというゲームです。「操られる人」は、「操る人」の手のひらから顔を離してはいけません。
「操る人」は、容赦なく手のひらを上下左右に。「操られる人」は、操られることを楽しんでいるかのように全身を使ったダイナミックな動きを見せていました。
中には、写真のようなペアも。「まるでワニを散歩させているかのよう」という講師からのコメントのように、単純なルールでありながら、面白い動きがたくさん生み出され、見ている側の想像力もかき立てられる活動でした。
次は「ジェスチャーゲーム」。グループごとに出されたお題を、言葉を発しないジェスチャーで表現するというゲームです。ちなみに、お題は他のグループに知らされていません。
すぐに相談を始めた生徒たち。準備の時間は10分です。どんなジェスチャーができあがるのでしょう。
次々にアイデアが出され、ストーリーができあがっていました。
さて、準備時間が終わり、いよいよジェスチャーの発表です。このグループが表現しているお題は何だか分かりますか?
正解は、「ラーメン屋」でした。めんを湯切りする動きや、注文から会計までの店員さんやお客さんの様子を上手に表現していました。ほかのグループも「回転寿司」「お化け屋敷」「花見」を表現力豊かに発表しました。
最後のグループの発表です。さて、下の写真からお題を想像してみてください。
正解は「クリスマス」でした。
・クリスマスツリーに靴下をつるす子どもたち
・子どもたちが寝たあとにプレゼントを持って現れたトナカイとサンタクロース
・枕元にプレゼントを置いたあとに去っていくトナカイとサンタクロース
・プレゼントに気付いて大喜びの子どもたち
言葉はなくても見ている人を温かい気持ちにする素敵なストーリーでした。
講師たちからは、
「短い時間にもかかわらず、どのグループもしっかりとしたストーリーの演劇ができあがっていた」
「互いのアイデアが次々にストーリーに組み込まれていたのは、みんなが友達の考えを受け入れる素直さと柔軟さがあるから」
「一人一人が自立していて、自分の役を自信をもって演じ切っていた」
などなど、生徒たちを称賛するたくさんの言葉がかけられていました。
男女仲がよく、活動にも意欲的で、みんなで楽しみながらジェスチャーゲームに取り組んでいた原町二中の2年生でした。次回は、演劇の創作にもチャレンジするとのこと。次回も楽しみですね。
原町二中2年生の皆さん、PAVLIC(パブリック)の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。
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