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ふくしま教育通信 2024年3月号           Vol.238

はじめに

 何かできることはあるだろうか。何ができるだろうか。
 先日、「能登半島地震の被害に伴う教職員の派遣」で、中学生の集団避難先である白山市の二次避難施設に応援に入りました。少しでも力になればとおこがましくも思ったからでした。

 集団避難から早1ヶ月半(3月6日時点)。家族と離れて集団生活を送っている中学生。子どもと会えない保護者の方。そして自宅に一度も帰っていないという先生方。その思いたるや、計り知れません。
 それにもかかわらず「福島から来ました」と言うと、誰もが「遠くからわざわざ」「震災の時は大変でしたね」「あの時は何もできなくて・・・」など私をいたわり、思いやる言葉を次々とかけてくださいました。
 他者に寄り添う優しい言葉の数々に目頭が熱くなりました。何よりも私が動いていると、中学生から「ありがとうございます」との声が。胸がいっぱいになりました。

 3月9日の卒業式にあわせて、3年生は集団避難先の施設をあとにしました。1・2年生は3月22日に2ヶ月に及ぶ集団避難生活が終わる予定です。
 二次避難施設の駐車場の限られたスペースを使って、陸上部や野球部などが練習をしていました。4月から新年度を迎えるにあたり、春の暖かい日差しと復興の光が石川の皆様を照らしてくれることを願ってやみません。

 さて、令和5年4月から福島県教育委員会公式noteサイトにリニューアルした「メールマガジン『ふくしま教育通信』」。3月でちょうど1年を迎えました。
 リニューアル第12回目となる「メールマガジン『ふくしま教育通信』」の3月号の構成は、「リレーエッセイ」、「日々の思い」、「子どもたちが輝くふくしまの学校」(2校)、そして「編集後記」の5本立てです。ぜひご覧ください。

「リレーエッセイ」
福島県教育委員会委員 正木 好男(まさき よしお)

 総務省は、2024年1月に国内の人口移動の状況を示す「人口移動報告」を発表しました。それによると、2023年の福島県は男性・女性ともに転出超過でワースト5位以内。年齢別では20代が最も多く、次いで10代や30代前半(男女によって異なります)となっています。進学や就職などを機に、若い世代が県外へ流出していることが分かります。では、福島県内に魅力的な企業や仕事があることを小中高校生・大学生に知ってもらうには、どうしたらいいのでしょうか。ぜひ正木委員の「リレーエッセイ」を通して、県外流出に歯止めをかける一手について考えてみませんか。 

「日々の思い」
健康教育課長 鈴木 哲(すずき さとし)

 高校野球といえば甲子園と「9回裏2アウトから」、高校ラグビーといえば花園と「One for all, All for one」。では高校サッカーといえば何を思い浮かべますか?世界的なスポーツとして人気が高いサッカー。プレーの自由度が高いことに加えて、ボール一つさえあればできることから、発展途上国ではとくに競技人口が多いスポーツです。12月末から1月上旬に行われた第102回全国高校サッカー選手権大会では、一体どんなドラマが繰り広げられたのでしょうか。サッカーの聖地に思いを馳せながら、「日々の思い」をぜひご覧ください。

「子どもたちが輝くふくしまの学校」
福島市立吾妻中学校
福島県立相馬支援学校

 福島県内の各小学校・中学校・高校・特別支援学校の取り組みを紹介する「子どもたちが輝くふくしまの学校」。
 今回ご紹介するのは、福島市立吾妻中学校と福島県立相馬支援学校の2校です。吾妻中学校の校地内には、なんと収穫量で福島県が全国第4位を誇る「ある」果物畑が。SDGsとの関連を図りながら、「自分たちの手で実らせて全校生でいただく」という、食育にもつながる学びを実践しています。他にも吾妻中学校ではSDGsをテーマとした様々な学習を行っています。そして福島県立相馬支援学校は、令和2年4月に南相馬市に校舎を新設した特別支援学校。相馬の伝統文化を取り入れた学びをはじめ、小学部から高等部まで系統的で切れ目のない支援ができることを生かして、子どもたち一人一人の実態に応じた学習支援を行っています。2校それぞれが学校の特色を生かして行っている学びについて、ぜひご覧ください。

「編集後記」
教育総務課長 堀家 健一(ほりいえ けんいち)

 「ふくしま教育通信」の最後は、堀家課長の「編集後記」です。堀家課長が福島に赴任して早2年。令和4年度からは、今後9年間の本県教育の基本方針となる第7次福島県総合教育計画が始まるとともに、ICTを活用した授業など、子どもたちの教育環境を取り巻く状況は大きなうねりの中にあります。そのような中、「福島県の教育」という畑にさまざまな種を蒔き続けた堀家課長。では、どのような種を蒔いたのでしょうか。「編集後記」を読みながら、2年間心も身体も走り続けた堀家課長の、福島に寄せる思いを受け取ってください。