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「ふくしまSDGsアワード」猪苗代中学校と只見中学校が受賞

持続可能な県づくりに欠かせないSDGsの視点

 福島県では、持続可能で豊かな福島の実現に向けて、国際社会の共通目標である「持続可能な開発目標」(SDGs)を入口とした県づくりを進めるため、県内の市町村や企業、団体、NPOなどの様々な立場の方々による連携・協働の機会を創出し、その活動の場となるよう「ふくしまSDGs推進プラットフォーム」を設置しています。
 県復興・総合計画課が設置しているこのプラットフォームでは、県全域におけるSDGsの取組の一層の向上を図り、SDGsを通じた本県の課題解決に向けた広がりと活性化を促進するため、「ひろがる!」「つながる!」「まなべる!」の3つの視点から、様々な活動を行っていますが、このプラットフォームの会員となりSDGsに取り組む県内の学校もあります。

「ふくしまSDGsアワード」

 SDGsを通じた本県の課題解決に向けた取組を活性化し、県づくりを自分事と感じてもらい、具体的な一歩を踏み出す機運を醸成するために、福島県では、「ふくしまSDGsアワード」の募集を昨年12月に開始し、29団体の皆さんからエントリーがありました。

受賞3団体のうち猪苗代町立猪苗代中学校と只見町立只見中学校の2団体が選出!

 令和5年3月5日(日)に「ふくしま復興とSDGsを考える県民シンポジウム2023」の中で「ふくしまSDGsアワード」の顕彰・講評が行われました。受賞3団体のうち、猪苗代町立猪苗代中学校と只見町立只見中学校の2つの学校の取組が選ばれました。
 ちなみに、もう一つの取組は福島中央テレビの「ごみ拾いを県民運動に!」。俳優・鈴木文健さんが県内各地でゴミを拾う取組。県内の企業や団体、大学など数多くの取組がある中で、学校における取組が2つ選ばれるのは、大変喜ばしいことです。 
 ここでは、2校の取組についてご紹介します。

○猪苗代町立猪苗代中学校
 『よみがえれ!猪苗代湖!!~猪中型資源循環サイクル~』

 猪苗代中学校の活動のきっかけは、旧猪苗代町立東中学校の1年生が2011年にボランティアとして行った清掃活動。そこから、自分たちのふるさとである猪苗代町のために何か役に立つことはできないかと考え、生徒会総会で立案し、全校生で猪苗代湖の清掃活動を行うことになったそうです。
 3校統合後も、その意志を引継ぎ、水質保全そして水質日本一の奪還を目標として、地域の方と連携・協働し、猪苗代中学校全体で継続して取り組むこととしました。その思いを広げるため、コキアの栽培、水草での紙づくりで発信しようと考えました。
 現在は、地域団体と連携・協働して、猪苗代湖の水草の除去作業をするとともに、「湖の水質汚濁の状況」の説明を受けるなど、体験と学びを両立させています。さらに、湖畔清掃ボランティアの参加者を募り、地域の方々と一緒に活動もしています。回収した水草で紙づくりをしたり、水草を肥料にしてコキアを栽培したりして、環境保全活動の意義を発信し、活動する仲間を増やす努力をしています。資源循環のシンボルとして、栽培したコキアをほうきやクリスマスツリーに加工しています。

堂々と発表をする猪苗代中学校の生徒
会場の皆さんも猪苗代中学生の発表に熱心に耳を傾けています。

・身近な猪苗代湖を環境学習の場につなげ、水草から別の植物を栽培、コキ
    アをさらに活用し循環の輪を広げている。
・ふるさとの猪苗代湖の水環境という明確なターゲットのもと、学生、地域
    が一体となった取組であり、他地域への波及等にも期待できる。

審査員からのコメント(一部抜粋)

 すでに猪苗代町内の小学校や高等学校でも猪苗代湖の水質保全のために調査をしたり、活動したりと広がりを見せているこの取組。今後は、猪苗代湖の水質保全のために連携を図ったり、様々な団体と協力して人とのつながりを広げていきたいということです。

○只見町立只見中学校
 『海洋の視点を付加した只見中のESD』

 2019年に新潟上越の海に海浜実習で訪れた際、砂浜で見つけた海洋プラスチックごみに生徒が心を痛め、山あいからごみを減らすことができないかと考え、河川上流からプラスチック製品の使用抑制活動を始めたことが活動のきっかけだそうです。
 ビラを配るだけなく、プラスチックのレジ袋に代わる新聞紙レジ袋の作成と地域配付を始めまるなど、プラスチック削減活動から、地域との協働が行われるようになりました。
 現在では、ペットボトル飲料の利用を制限することでペットボトルの使用量を減らすPET Free Monday(ペットフリーマンデー)をはじめ、第50回只見ふるさと雪まつりにおける雪の絵画イベントと地域指定ごみ袋改善プロジェクトなど、様々なイベントで活動を行っています。

只見中学校の生徒の発表
来場者と交流する只見中学校の生徒たち

・海浜実習をきっかけに、自らの立場でできるプラスチックの使用抑制と仲  
 間を増やして連携を促進する取組は素晴らしい。
・海から最も遠い地域での地道な取組が海の豊かを守ることにつながるとい
 う広い視点をもっており、取組を通して中学生たちが成長するばかりでな
 く地域も巻き込んでいるのが秀逸。

審査員からのコメント(一部抜粋)

 只見町は海から離れた環境にありますが、物事を俯瞰的に捉えさせたいという思いと、学校単体でできることには限界があり、広がりを作るためには協働という視点で、仲間を増やしていくことが大切との思いから取り組んでいるそうです。
 今後、仲間をどのように増やすか、そして仲間との温度差をどのように埋めてより良い活動にしていくかが課題であり、今後一層地域との連携・協力体制を高めていきたいということです。

県内の他の学校も素晴らしい取組を実践

 応募した29団体の中には、福島西高校、福島高校、天栄村立湯本中学校、郡山ザベリオ学園中学校、あさか開成高校(エントリー順)の取組があったほか、子どもや若者が参加した取組も複数ありました。29団体のそれぞれの取組は、ふくしまSDGs推進プラットフォームの公式サイトをご覧ください。

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