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南会津教育事務所「地域学校協働連携NEWS 第36号」

1 そもそも教育事務所とは?

 福島県には、県北(けんぽく)・県中(けんちゅう)・県南・会津・南会津・相双(そうそう)・いわき、それぞれの地域を担当する教育事務所が7つあります。教育事務所が何をしているところかご存じですか?ご存じの方は、かなりの「教育通」です。

 教育事務所は、福島県教育委員会の機関のひとつで、学校・家庭・地域・市町村教育委員会などと連携しながら、域内の教育活動の充実に向けて取り組んでいます。主な取組の一つに、社会教育に関わるものがあります。地域とともにある学校づくり(地域学校協働活動)の推進をはじめ、家庭教育の支援、生涯学習の推進、そして読書活動(ビブリオバトル予選会の開催)などを行っています。また主な取組のもう一つに、学校教育に関わるものがあります。学校を訪問して授業改善に向けた助言や支援を行ったり、さまざまな研修会を行ったりすることで、幼児教育、小・中・高等学校教育、そして特別支援教育の充実を図っています。

 今回の「地域学校協働連携NEWS」では、南会津教育事務所が行っている「地域学校協働活動」についてご紹介します。
※令和4年度までに第35号まで発行しました。

南会津教育事務所の域内の風景(左から只見線、塔のへつり、大内宿)

2 地域学校協働南会津地区研修会 ~CAPワークショップ~

 令和5年5月2日(火)、あいづCAPの方々を講師にお招きして、御蔵入(おくらいり)交流館で「地域学校協働南会津地区研修会~CAPワークショップ~」を開催しました。

 CAP(キャップ)とは、“Child  Assault  Prevention” の頭文字をとったもので、「子どもへの暴力防止」と訳されます。子どもたちがいじめ、誘拐、虐待、痴漢、性暴力といったさまざまな暴力から自分を守るための教育プログラムです。ワークショップ(参加型学習)の形をとっており、子どもたちが暴力から自分で身を守るための知識や具体的な方法について、ロールプレイ(寸劇)を通して学びます。自分も他人も大切にできるという視点でつくられた人権教育プログラムです。

 今回は、大人向けのワークショップということで、地域連携担当教職員や放課後子ども教室事業に携わる方々などを対象に、研修を行いました。
 まずは「安心」「自信」「自由」という3つの権利の重要性や、それらを守るためにどのように行動したらよいのかをロールプレイを通して学びました。ロールプレイの場面は、子どもたちが自分の経験と重ね合わせやすい設定です。
 その後、子どもの問題解決力への信頼と働きかけ(エンパワーメント)について、実際の現場でできることを参加者同士で話し合ったり、子どもの話を聴く方法を練習しました。
 地域や学校など様々な場面で、大人たちはもちろん、子どもたちにも体験してほしいプログラムでした。

・日々の保育の中で、考え合う時間、話し合う時間をもう少しつくっていきたいと感じました。子どもの変化に早く気づき、話を聞きながら、問題の早期解決につながるようにしたいと思います。〈保育所職員〉
・英語の教師なのですが、保育も教えているので授業に生かしたいと思います。〈高校教員〉
・そういう子どもがいるなあと思いながら研修を受けました。告げ口と相談について違うということを子どもたちに教えていこうと思いました。〈放課後子ども教室スタッフ〉
・心配をするあまり行動を制限してしまいがちですが、行動を選択させること、一緒に考えることを心がけていこうと思いました。〈教育委員会職員〉
・「~してはいけない」ではなく「できること」を伝えていくということは、子どもが自分を守るためにはとても大切なことだと勉強になりました。ぜひ、小学校や保育所、幼稚園と小さなうちからワークショップの実施をしていただけたらいいなと思いました。〈役場福祉部局職員〉

参加者の感想(一部抜粋)

3 さいごに

 南会津教育事務所では、南会津町、下郷(しもごう)町、檜枝岐(ひのえまた)村、只見町の4つの教育委員会や、学校・家庭・地域と連携を図りながら、社会教育と学校教育の充実に向けて取り組んでいます。
 「地域学校協働連携NEWS」を通して、特色ある地域学校協働活動の取組や、各学校の地域学習の様子について発信していきます。「こんな取組をしています!」という情報をぜひ南会津教育事務所までお知らせください。
 また南会津教育事務所では、今回お世話になったあいづCAPをはじめ、講演会やワークショップ、授業における講師や地域人材の情報を提供することができます。今後も4町村の教育委員会や学校間でも情報を共有し合い、広域での連携も見据えた地域学校協働活動を進めていきます。

※南会津教育事務所のホームページもぜひご覧ください。