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『ふるさととつながり、ふるさととともに歩む学校』               大玉村立玉井小学校(たまのいしょうがっこう)


記事の概要

 大玉村立玉井(たまのい)小学校は、名峰・安達太良山のふもと、安達郡大玉村の玉井地区に位置し、広大な田園と「居久根(いぐね)」と呼ばれる防風林が点在する美しい景観に囲まれた小学校です。歴史は古く、明治7年1月23日創立で、昨年150周年記念式典を開催しました。児童数は305名で、大玉村全体として少子化の影響も少なく昨年度より15名の増となっています。
 今回は、「みんなで支え、みんなで育て、みんなが育つおおたまの教育」のスローガンのもと、学校と地域が一体となって取り組んでいる教育活動の一部を紹介します。

1 『おおたま学園構想』による教育の推進

 大玉村では「おおたま学園構想」のもと、小さいというスケールメリットを最大限に活かし、幼・小・中の連携・協働、おおたま学園コミュニティ・スクール、大玉村地域学校協働事業が学校のニーズ・課題等に応じて効果的に運用され、「大玉村全体で子どもたちを育む」教育が推進されています。村内の小・中学校は年に一度「オープンスクール」を開催し、村内全ての教職員、教育関係者、コミュニティ・スクール委員等に授業を公開し、授業のさらなる充実はもちろん、続けて開催されるコミュニティ・スクール委員会では、「魅力ある学校づくり」「子どもたちがいきいきと活躍する教育活動」について様々な視点からご意見をいただき、各校の教育活動に活かしています。

コミュニティ・スクール委員会「熟議」の様子
それぞれのお立場から貴重なご意見をいただいています。

2 地域とつながり、地域のよさを知る

 村内全ての園児、小・中学生、保護者、地域住民が各種体験活動で交流する場として「おおたまふれあいフェスタ」を実施しています。「おおたま学園運営委員会」「CS委員会」が企画・運営の中心となり、地域学校協働本部と連携を図りながら、関係団体、地域住民・保護者による学校支援ボランティア等の協力を得て実施しています。実施内容は以下の6活動です。令和5年度の様子を紹介します。どの活動も子どもたちや地域の方々の笑顔が眩しい充実した活動でした。 

①スポーツ交流イベント(幼稚園 188名)

 園児が村内の室内運動場に集まり、地域の方々とスポーツイベントを通して交流を深めました。 

②昔遊び・グラウンドゴルフ(小学1・2年、中学3年 計297名)

 大玉中学校グラウンド・体育館に集合し、中学生や地域の方が小学生に昔遊び(お手玉・けん玉・コマ回し等10種)を教えたり、中学生がグラウンドゴルフを地域の方から習ったりして交流を深めました。

初めて行う遊びも多く、子どもたちは難しさを感じながらも夢中になって取り組んでいました。

③大名倉山登山(小学3年 計91名)

 地域の方と村内にある大名倉山に登りながら、地域の自然・環境等のお話を聞き、村の自然・郷土のよさを理解しました。

ふるさとの自然の豊かさ・素晴らしさを改めて実感しました。

④安達太良ふれあい登山(小学4年 計88名)

 地域の方や登山ボランティアの方と一緒に安達太良山を登り、困難を克服しようとする強い心を育みました。

「もう少しで頂上だ!」 学校の枠を越え互いに励まし合いながら山頂を目指しました。

⑤オリエンテーリング(小学5年・中学2年 計196名)

 小中学生がグループを組み、紅葉に彩られた県民の森で目的のポイントを探しながら互いの交流を深めました。

中学生のリードのもと、高ポイント目指して野山を駆け巡りました。

⑥ミニ運動会(小学6年・中学1年 計168名)

 小中学生合同チームに分かれ、互いに励まし合いながら運動(綱引き・玉入れ・全員リレー)に取り組むとともに、保護者・地域の方々との交流を深めました。

体育館中に響き渡る歓声の中、力を合わせて勝利を目指しました。

3 地域の文化を理解し、継承する

 大玉村は良質なお米の産地として有名です。今から約250年前から玉井地区では、米の豊作を願う「本揃の田植踊(もとぞろのたうえおどり)」が民俗芸能として受け継がれています。お祝い演目から始まり、稲作の苗代作りから種まき、取り入れまでの1年間の手順を表現した踊りを、本校では5年生が、保存会の方々のご指導のもと、稲作に携わる人々の願いや思いを理解しながら受け継いでいます。地域理解を深める上でとても大切な活動です。練習した踊りは、学習発表会で保護者・地域の方々に披露しています。

地域の方から伝統を引き継ぐことによって、ふるさとに対する愛着・愛情が高まりました。

 「ふるさととつながり、ふるさととともに歩む学校」の一部を紹介しました。活動を終えるたび、「またくるよ。」「なんでも言ってね。」「子どもたちから元気をもらったよ」・・・・など、保護者・地域の方々から温かい言葉をいただいています。このような温かい支えが教育活動充実の大きな原動力になっています。これからも「ふるさと おおたま」が子どもたちの胸にいつまでも息づくような活動を地域の方々と連携しながら進めていきたいと思います。