見出し画像

福島県立ふたば未来学園高等学校 三島長陵校舎の終了式を開催しました ~13年間、ありがとうございました!!~

 2024(令和6)年1月30日(火)、福島県立ふたば未来学園高等学校 三島長陵校舎の終了式が、静岡県立三島長陵高等学校で行われました。東日本大震災後の2011(平成23)年5月から2024(令和6)年3月まで、福島の県立高校が学び舎としてきた三島長陵高校。13年間にわたる静岡県教育委員会と三島長陵高校の先生方の温かいご支援に、言い尽くせないほどの感謝の気持ちを込めながら、三島長陵高校での学校生活に幕を下ろすことになりました。今回は、三島長陵高校とのご縁を振り返りながら、終了式についてご紹介します(※以降は西暦で記載します)。



1 静岡県立三島長陵高校との13年間のご縁

 静岡県立三島長陵高校と福島の県立学校とのご縁は、東日本大震災と原発事故が起きた2011年に遡ります。
 震災前の2006年、日本サッカー協会が福島県などと連携して、サッカー選手のエリートを育成するJFAアカデミー福島を設立。JFAアカデミー福島の高校生は福島県立富岡高校に通っていました。しかし2011年に東日本大震災が発生。避難を余儀なくされる中、学び続けられるようにと、静岡県教育委員会のご協力で学校間連携協定を締結し、静岡県立三島長陵高校内サテライトが設置されました。
 2015年、教育復興のシンボルとして、福島県立ふたば未来学園高校が開校(2017年3月で富岡高校休校)。富岡高校のサテライトを引き継ぐ形で、三島長陵高校内に「ふたば未来学園高校三島長陵校舎」が設置されました。そしてこの2024年、JFAアカデミー福島の帰還に伴い、ふたば未来学園高校三島長陵校舎が「終了」を迎えました。

左は13年間お世話になった三島長陵高校。右は、三島長陵高校の正面玄関にある展示ケース。JFAアカデミー福島1期生(富岡高校生)~7期生(ふたば未来学園1期生)が三島長陵高校に感謝の気持ちを込めて、卒業時に校長先生にお渡ししたDVDやメッセージ入りのユニフォームなどです。


2 福島県立ふたば未来学園高校 三島長陵校舎 終了式

 ふたば未来学園高校三島長陵校舎の高校生、多くの来賓と保護者の方々、そして三島長陵高校の先生方と高校生の出席のもと終了式が行われました。
 式典の最初には、ふたば未来学園高校の校歌とともに「JFAアカデミー福島の活躍の軌跡」と題して、スライドが上映されました。
 その後、ふたば未来学園高校の郡司校長先生が式辞を、福島県教育庁教育次長が挨拶を述べました。静岡県教育委員会と三島長陵高校、そして御殿場市の時之栖と裾野市の帝人アカデミー富士への感謝の言葉でした。
 続いて静岡県教育委員会教育監と三島長陵高校の校長先生から、両校が協力し合い互いに良い影響を受けて教育活動がなされたことへの感謝と、静岡での活動終了は寂しいものの福島での活動再開は喜びですとの挨拶がありました。
 日本サッカー協会の田嶋幸三会長からは、静岡に拠点を移すまでの詳しい経緯に加えて、「私たちは、ただ単に勉強やサッカーができる子どものことをエリートとは言いません。社会に貢献できる人のことをエリートと言い、その定義のもとエリート教育を行ってきました。多くの方からサポートいただいたご恩は一生忘れません。」との言葉がありました。

左からふたば未来学園の校旗、ふたば未来学園高等学校長、福島県教育庁教育次長。
左から静岡県教育委員会教育監、静岡県立三島長陵高等学校長、日本サッカー協会長。三島長陵高校の校長先生から「生まれた所が第一の故郷、福島が第二の故郷とすれば、中学・高校を過ごした静岡は第三の故郷と思ってほしい」との言葉がありました。


3 応援旗交換と記念品交換

 来賓挨拶の後、福島県教育委員会とふたば未来学園高校それぞれから三島長陵高校に感謝状を贈呈しました。その後、ふたば未来学園高校と三島長陵高校の高校生が、応援旗の交換を行いました。
 三島長陵高校からふたば未来学園高校に渡されたのは黒地の旗三島長陵高校のPTA・後援会・長陵会の皆様が作成してくださったもので、旗には「JFAアカデミー福島 夢があるから強くなる」の文字が。富岡とふたば未来学園の高校生が毎日見ていたこの旗に、どれほど心を奮い立たされたことか計り知れません。
 これまでホールに掲げられていた黒地の旗は福島県でいただき、代わりにふたば未来学園高校が作成した青地の旗をお渡ししました。「静岡県立三島長陵高等学校へ 心からの感謝の気持ちを込めて すべての出会いにありがとう~We are family~」という文字が刻まれた応援旗。13年間の感謝が込められています。そして続いて行われた記念品の交換では、両校の校章が刻まれたマグカップを交換しました。

終了式で応援旗を交換。式の後、お渡しした青字の旗をすぐに同じ場所に掲げてくださいました。(※「DREAM~夢があるから強くなる~」は「JFA2005年宣言」のスローガンです。)


4 生徒代表挨拶

 生徒代表挨拶では、三島長陵高校生がエールを送ってくれました。

 故郷を離れ学校生活を送る皆さんの姿勢は、とてもすごいなと思いました。福島に戻っても、静岡のこの地で過ごしたことを時々思い出してください。皆さんの今後の活躍をお祈りしています。

三島長陵高校 生徒代表挨拶より(一部抜粋)

 続いて、ふたば未来学園高校三島長陵校舎生が挨拶を述べました。

 高校生活を通して、心身ともに成長できたと感じています。充実した高校生活を送ることができたのも、私たちを迎え入れてくれた三島長陵高校をはじめ、静岡県のご支援があったからだと感謝しています。1・2年生は4月から福島での活動を再開します。ここで学んだことを忘れず、これからに生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

ふたば未来学園高校三島長陵校舎 生徒代表挨拶より(一部抜粋)


5 式歌「花は咲く」に想いを乗せて

 終了式の最後は、式歌「花は咲く」で締めくくられました。三島長陵高校の先生の指揮で、三島長陵高校の合唱部の皆さんとふたば未来学園高校の高校生、そして出席者全員での涙、涙の大合唱となりました。それぞれの胸の内に去来するさまざまな思いを「花は咲く」が全て包み込んでくれました。三島長陵高校の合唱部の皆さん、素敵なハーモニーで優しさと彩りを加えてくださって、ありがとうございました!!


6 最後に

 最後に、福島県立ふたば未来学園高等学校の郡司校長の式辞を一部ご紹介します。

 この終了式は、福島県立富岡高等学校時代を含め、13年の長きにわたり、東日本大震災によって避難を余儀なくされたJFAアカデミー福島に所属する高校年代の生徒たちに、学習環境を御提供くださった静岡県教育委員会と三島長陵高等学校の皆様に感謝の気持ちをお伝えするために行うものです。これまでの数々の御支援に心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 ここでの生活では、本県教員も派遣されてはおりますが、多くを三島長陵高等学校の授業でお世話になり、同校の文化祭「長陵祭」に参加させていただいたり、福島県内の本校舎の学校行事に参加したりと、厳しい避難生活ではありましたが、充実した学校生活を送ることができました。
 卒業生は、プロ契約、大学進学や海外留学など、ほぼ全員が競技を続け、将来、プロリーグのみならず、W杯やオリンピックで活躍することが多いに期待されています。これらは、一重に三島長陵高等学校での学びがあってこそのことと思っております。
 今年4月から、JFAアカデミー福島の全ての活動が福島県内で再開されることになり、3月を以て三島長陵校舎の設置は終了となります。13年の長きにわたり生徒たちに学習環境を御提供くださいましたことに、心から御礼申し上げます。

福島県立ふたば未来学園高等学校 三島長陵校舎終了式 郡司校長式辞より(一部抜粋)


三島長陵高校の高校生・先生方とともに、ふたば未来学園高校三島長陵校舎の高校生・保護者・教員。


 東日本大震災が発生した2011年3月11日。翌日12日には富岡町の全域に避難指示が出されました。このような中、震災直後の5月には三島長陵高校での教育活動がスタートしました。
 静岡県での学校生活「終了」にあたり、「学びを止めないように」とご尽力くださった関係の皆様。そして常に福島の高校生を気にかけ、さまざまな行事を「一緒にやろう」と声をかけてくださった三島長陵高校の先生方。「ふるさと」となった静岡の皆さんに万感の思いを込めて。

静岡県立三島長陵高校の皆さん、13年間、本当にお世話になりました!!
そして、福島県立ふたば未来学園高校三島長陵校舎の皆さん、静岡で築いた歴史や実績、想いなどを引き継ぎながら、絆という名のバトンを福島の地につないでください!!