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新しいけど伝統校                                                           ~喜多方桐桜高校の今と歴史と魅力~     喜多方桐桜高等学校


記事の概要

 喜多方桐桜高等学校が既存校2校の統合によって誕生して10年あまり。商業と工業を学べる地域の専門高校として、生徒が元気に活動しています。
実は統合以前の既存校の歴史を含めるとその歴史は100年以上。さまざまな場面でその長い歴史が反映されている学校です。そんな〝新しいけど伝統校〟あるいは〝伝統あるけど新しい〟といった本校の一面をご紹介します。

1 5連覇達成!経営マネジメント科(商業科)喜多方とともに

 「そこで私たちは、観光客の年齢層と観光の目的に注目し、次の研究仮説を設定しました・・・・・」 本校生徒の声が静まりかえった会場に響きます。 本校ビジネスマネジメント科3年生の発表のようすです。 今年7月に行われた、令和6年度福島県生徒商業研究発表大会での一コマです。

 ビジネスマネジメント科3年「課題研究」の調査研究班はこの発表に至るまでに地道に調査研究を続けてきました。
 地域の方々からの意見聴取やフィールドワークをとおして、自ら設定した「喜多方の魅力を創出・発信」という課題を探求してきたのです。

 その甲斐あって、30回を数える福島県生徒商業研究発表大会の調査研究部門で令和6年度の最優秀賞を勝ち取り、5連覇を達成することができました。
 これも、喜多方の地に100年以上あり続ける高校として、地域のみなさまとともに歩みを進め、それが認められたのではないかと感じています。

2 桐と桜のながい歴史

 喜多方桐桜高等学校は平成22年(2010年)4月1日に開校しました。

昭和23年(1948年)福島県立喜多方商工高等学校となります。
(写真は昭和37年頃の校舎の様子)

 そもそも本校の淵源は大変に古く、大正3年(1914年)町立喜多方商業補習学校が、喜多方尋常高等小学校に付設されたところまでさかのぼります。今から110年前です。

 そこから幾度かの変遷を経て、その後、福島県立喜多方商工高等学校は昭和38年(1963年)に工業科の募集を停止し、昭和39年(1964年)には校名を福島県立喜多方商業高等学校と改称しました。
 いっぽう昭和38年(1963年)に福島県立喜多方工業高等学校が福島県立高等学校学則に定められ、昭和39年(1964年)には喜多方商業高等学校の工業科生徒を編入するとともに、同校の工業科設備を移管し、喜多方市内に商業と工業の実業高校(専門高校)が並び立つというかたちになりました。
 校旗のデザインでは喜多方商工高等学校の校旗から、喜多方商業高等学校は八重桜のモチーフを、喜多方工業高等学校は桐花のモチーフを、それぞれ使って各校の校旗が制定されたと聞いています。
 そして、時が流れて四十余年。喜多方商業高校と喜多方工業高校が統合され、平成22年(2010年)4月1日に喜多方桐桜高等学校が開校したというわけです。実に一世紀近くにわたる長い物語の末の統合でした。
 喜多方桐桜高校の校旗は八重桜と桐花を用い、スクールカラーは喜多方商業高校の紫色と喜多方工業高校のオレンジ色を融合させた紅紫色(こうししょく)と制定されています。

3 進路指導レボリューション

 喜多方地域の中核的な専門高校である本校は、ありがたいことに毎年多くの就職求人票をいただいています。また、各事業所さんや上級学校の方々が本校に足をお運びいただき、さまざまな進路の情報をご提供いただいています。この場をお借りして御礼申し上げます。
 ただ、せっかくいただいた各種の情報を、生徒や保護者にうまく還元できているかというと、これまで不十分な点があって悩んでいました。具体的には、提供いただく情報のほとんどが紙ベースであり、なおかつ量が非常に多く、生徒・保護者の興味・関心とマッチングさせる手段に頭を悩ませていたのです。
 そこで今年4月に、本校進路指導部が生徒や保護者がネットでわかりやすく企業・学校情報に接することができるよう「喜多方桐桜高校 進路来校企業・学校状況等」webサイトを立ち上げました。
 ホームページは黒いシックなこんな感じです。ここから来校状況マップボタンをクリックすると、来校された企業や上級学校が日本地図に赤や青のマークとして表示され、マークをクリックすると、その企業情報や学校情報が表示されるしくみになっています。
 また、このホームページからは求人票閲覧システムにログインすることもできますし、喜多方市企業情報サイト「きたかたわく・ワーク」へもリンクを張らせていただいています。
 生徒や保護者からは手軽に情報が入手できることが好評で、現在もコンテンツの充実を図るために日々情報更新中です。

4 オリンピックイヤーでさらにもりあがるレスリング部

 今年の夏はパリオリンピックで盛り上がりましたね。
 近代オリンピックではさまざまな競技が実施されていますが、その中でも古代エジプトの時代から人々に親しまれている、たいへん歴史のある競技のひとつがレスリングです。
 本校のレスリング部はとても強く、近年の東北大会では上位入賞、インターハイや国民スポーツ大会には毎年のように出場し、成績も年々上昇している状況です。

今年のインターハイ東北大会の本校入賞選手の笑顔です。

 今年の夏にはヨルダンのアンマンで開催されたジュニアオリンピック大会に日本代表として本校生徒が出場しており、今後の活躍がますます期待されます。
 昨年度には、米国カリフォルニア州の高校生レスリング選抜チームが親善交流で来県した際、本校を訪問し、本校体育館を会場にして福島県選抜チーム(本校生徒がたくさん選抜されて入っていました)と親善試合を行いました。そのようすを全校生徒が観戦し、迫力ある試合と選手のパフォーマンスに会場は大盛り上がりでした。
 スポーツで感動を共有し、絆を深め合うってステキだなとあらためて感じました。