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校訓「創造・協調・責任」の教えを胸に-安達東校舎の取り組み-            福島県立二本松実業高等学校(安達東校舎)

 令和5年4月、福島県立二本松工業高等学校と福島県立安達東高等学校が統合し、福島県立二本松実業高等学校が開校しました。
 安達東校舎では総合学科の特色を生かして学びの幅を広げ、生徒一人ひとりの学びたいニーズを大切にして希望進路の実現を目指しています。「農業コース」「家庭コース」「福祉コース」「教養コース」の4つの専門コースに分かれて学習しています。それぞれのコースでの特色ある学びや、地域と連携した探究的な学びについてご紹介します。


1 特色ある学び

(1)農業コース

 農業コースでは、畜産班と園芸班に分かれて学習しています。畜産班では養鶏と養蜂について学んでいます。養蜂は県内唯一の取り組みで、四季折々のはちみつを生産しています。道の駅安達でも販売しており、地域の皆様からご好評をいただいています。

道の駅安達でのはちみつ販売

 養鶏では、採卵するために、日々鶏を管理しています。また、会津地鶏や軍鶏(シャモ)を育てて、鶏が食肉になる過程も学びます。屠殺(とさつ)実習の様子は、本校のnoteに関連記事を公開しておりますので、併せてお読みいただけると幸いです。

鶏の屠殺(とさつ)実習

 園芸班では野菜や草花の栽培管理を学び、春にはカーネーション、秋冬にはシクラメンを販売し、地域の方々に喜ばれています。

毎年好評の販売会

(2)家庭コース

 家庭コースでは、家庭生活に必要な衣食住に加え、消費や環境などに関する知識と技術を習得し、家庭科技術検定を受検するなどして技術の向上に励んでいます。フードデザインの授業では、日本調理技術専門学校より講師の先生をお招きし、本格的な西洋料理の調理法やクリスマスケーキの製作について学びます。

真剣な様子で調理実習に取り組む生徒たち

 また、農業コースの園芸班が育てた規格外野菜を有効活用するための調理法を考えるなど、持続可能な社会の構築等の視点に立ち、生活の課題解決に向けて実践的な学習を行っています。

(3)福祉コース

 福祉コースでは、高齢者の介護を中心に、地域の福祉に関わる人材となるよう介護の知識と技能を習得しています。実習では、グループホームおばまのご協力をいただき、実践的な学びを行っています。

グループホームでの実習の様子

 旧 安達東高等学校は総合学科のみでしたが、旧 二本松工業高等学校と統合したことにより、学科間連携による学習を進めています。その一つとして二本松市にある男女共生センター福祉機器展示室において介護支援ロボットを見学しました。生徒は、介護用ロボットスーツを装着し、介護者の負担軽減の方策について身をもって体験し学びます。

介護支援ロボット等の見学、体験の様子

(4)学校全体の取り組み

 生徒の進路実現を図るため、基礎学力定着のための学習トレーニングとして毎週「タッピーチャレンジ(通称タピチャレ)」を実施しています。生徒一人ひとりが自分のペースで学習に取り組み、国語・数学・英語の学力向上に励んでいます。

毎週水曜日の放課後実施

 今年度、英語科では「論理的でまとまりのある文章を書く力」を高めるための指導が重点的に行われ、生徒たちはICTを活用しながら英語力を高めています。

英語の授業の様子

 毎年12月には「百人一首カルタ大会」を実施しています。国語の授業で学んだ百人一首の知識を活かし、3人1組のチームで対戦します。

白熱した試合の様子


2 探究的な学び -地域との連携-

 「ふくしまを創る若者のプラットホーム構築事業」を活用した地域課題解決のための探究学習をご紹介します。

(1)不耕起栽培に挑戦

 地域の現状として「耕作放棄地」が増加していることを知った2年生が、その対策として「不耕起栽培」について学び、取り組んでいます。福島大学食農学類教授 金子信博先生をお招きし、講義していただきました。また、福島大学の研究室や農地も見学させていただき、不耕起栽培への理解を深めました。

福島大学での見学の様子

 自分たちでも不耕起栽培を実践し、土壌の変化を調べてみたいと考えた生徒たちは、学校の農地を利用しライ麦を育てたりしながら、学びを続けています。

『不耕起栽培』は、文字の通り耕さずに栽培管理を行う方法です。通常の栽培とは違い農地を耕さないため、農作業の省略化や燃料削減、生物多様性の保全に効果があり、持続可能な農業を行っていく観点から注目されている農法の1つです。

二本松実業高等学校noteより抜粋(https://nihonmatsubh-hs.note.jp/n/ne473afaa7a23)

(2)地域の伝統を受け継ぐ -稚児舞-

 少子化やコロナ禍の影響で、伝統行事の担い手が少なくなっていることを知った2年生が、「稚児舞(ちごまい)」を継承するために夏休み明けから稽古に励みました。「稚児舞」とは、二本松市の小浜地区で行われている「萬人子守地蔵尊(まんにん こもり じぞうそん)」の例大祭で披露されている舞のことです。地区で稚児舞の指導をされている佐久間優子先生をお招きし、丁寧な指導をいただきました。12月に開催した安達東校舎の小文化祭において、全校生の前で披露し自信をつけた生徒たちは、今後地域の行事でも披露したいと意気込んでいます。

稚児舞練習風景


3 二本松実業高等学校としての歩み

 令和5年4月10日、福島県立二本松実業高等学校開校式が挙行され、新たな歴史と伝統の一歩を踏み出しました。本校舎と安達東校舎のそれぞれで学校生活を送っていますが、1つの学校として歩む生徒たちの様子をご紹介します。

(1)校舎合同行事 -芸術鑑賞教室-

 本校舎と安達東校舎の合同開催で行われた芸術鑑賞教室では、アフリカンミュージックの鑑賞を通して交流しました。
 アフリカの魔除けペイントをされる先生たちを全員で見守ったり、楽器の演奏体験に苦労する生徒を応援したり、生徒たちは大盛り上がりで楽しみました。最後は全員参加のアフリカンダンスで心がひとつになりました。

芸術鑑賞教室の様子

(2)校歌練習

 二本松実業高等学校の校歌の歌詞は、生徒たちが考えたフレーズをもとに、明るく未来に向かって伸びていく生徒たちの姿をイメージして作られました。作曲は、福島県ゆかりの音楽家である大友良英氏に依頼し、印象に残るメロディーと、歌いやすさや伴奏のしやすさを考えて作曲していただきました。
 生徒たちは新しい校歌を毎日清掃の時間に聴き、親しみを深めていますが、より確実に歌唱できるように、校歌練習を実施しました。校長先生によるギター伴奏と、音楽の先生による丁寧な歌唱指導のおかげで、全員が校歌をしっかり歌えるようになりました。

校歌練習の様子

 12月に開催した小文化祭に、作曲者で音楽家の大友氏をお招きし、講演会を実施しました。講演の結びに、「器楽」授業選択者のギターやキーボードの伴奏に合わせて、全校生徒と先生方で校歌を大合唱しました。新しい校歌と共に、二本松実業高等学校の一員としてこれからも歩み続けていきます。

講演会の様子

 なお、本校の校歌は、二本松実業高等学校HPで聴くことができます。 

※ぜひ二本松実業高等学校のnoteサイトと学校HPもご覧ください!