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令和6年度「教育フォーラム」を開催しました(たくさんのご参加ありがとうございました)

 令和6年12月20日(金)、福島県庁にて、「教育フォーラム」を開催しました。今年のテーマは「体験しよう!学びの変革~演劇教育・哲学対話ワークショップ~」。猪苗代高校を協力校に迎え、福島県の高校教育課が主体となって取り組んでいる「コミュニケーション教育」について、参加者に体験していただきました。

講師
演劇教育 NPO法人 PAVLIC わたなべ なおこ 様 
哲学対話 福島大学 人間発達文化学類 教授 小野原 雅夫 様

参加協力校 猪苗代高校

教育長挨拶

 はじめに、大沼博文教育長よりご挨拶がありました。

福島県におけるコミュニケーション教育

 教育総務課、柾木渉課長より「福島県におけるコミュニケーション教育」の概略について説明がありました。

演劇教育

 PAVLIC わたなべ なおこ 様より「演劇教育」の効果について簡単にご紹介いただき、本番開始です。座席は円形に並べ替えられました。

 大人も本気のフルーツバスケットが始まります。初めて合う人ばかりの中で、最初は遠慮が見られましたが、回を重ねるごとに、全員が席に座るために本気で取り組みました。

大人も猪苗代高校生も対等に席を奪い合います。

 場が温まってきたところで、次のステージに進みます。

「みんなで5人組を作ってみましょう」

 知らない人にも声をかけないと、あぶれてしまうゲーム。巻き込まれる人を増やしながら、会場中に協力ムードにあふれました。

観客席も巻き込みながら、ゲームが進みます。

 続いて、「操る人」と「操られる人」。この活動は、相手を無言で操るというゲームです。「操られる人」は、「操る人」の手のひらの動きから顔を離してはいけません。
 操られる人は、操る人の手のひらの動きをトレースしていきます。みんな相手の行動を予測したり、次はどんな動きをしようかと考えたり、様々な思惑が渦巻きますが、終始、無言。
 終わった後、「はぁ~っ(ほっ)。」や笑い声が聞こえてきました。
 操る方が得意な人、操られる方が得意な人。それぞれでしたが、全員がやりきれたことに、満足感を得たようです。

なおこさんと教育総務課長のデモンストレーション後、大人に操られたり、高校生に操られ
たりの体験を無言で繰り返す参加者。初めて会った人とは思えない息の合った動きです。 

哲学対話

 福島大学の小野原先生より、「教育現場における哲学対話」と題して15分程度の講話をいただきました。

 「哲学とは」、「哲学対話とは」を簡単にお話いただきました。

 講話が終わったら、実践です。

 2つの班に分かれて、「どこからが友達?」について話し合いました。

・話をしたら友達
・男の考える友達は女の考える友達より軽い
・酒を飲んだら友達
・友達はジャングルジムみたいなもの
・相手が友達だと思っていなくても、自分が友達だと思っていれば友達
・大人になって同級生と会っても、その同級生は友達

 様々な意見を聞いて、大人と高校生が意見を交わします。これはとても貴重な機会となりました。
 いつも話している人でも、いつもとは違う話ができたり、初めて話した人からは、自分とは全く違う意見を聞けたり。大人と高校生では(当然だけど)、友達についてまったく違っていました。大人の方が成熟した考えとも限らず、高校生の考え方からも学ぶことが多かったように思います。

教育委員の皆様も参加し、立場を超えて高校生とも対話していただきました。

 最後は各班でどんなことが話し合われ、どんなふうに感じたのかを猪苗代高校生がまとめて発表してくれました。

講評

 今回の教育フォーラムについて、各教育委員の方からご好評をいただきました。自分たちの世代とは違う教育のあり方に、皆様からお褒めの言葉を頂戴しました。

 最後に教育長より、バーバルなコミュニケーション(会話や文字、印刷物など言語的なコミュニケーション)とノンバーバルなコミュニケーション(顔の表情や声の大きさ、視線、身振り手振り、ジェスチャーなどによるコミュニケーション)はともに重要であり、福島県のコミュニケーション教育はその実践となっている、と講評いただき、会を終了しました。

 参加していただきました皆様、講師のわたなべなおこ様、小野原雅夫様、協力いただきました猪苗代高校の皆様、教育委員の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。