「地域と共に、好間中における防災教育」 いわき市立好間中学校
いわき市立好間中学校は、昭和22年に開校し、校地に菊竹遺跡が見られるなど歴史ある学校です。本校自体は高台にありますが、好間地区は令和元年度の台風において甚大な被害を受けました。好間地区の防災意識を高めていくために、令和4年度より市の災害対策課の方々のバックアップをいただきながら、地域の方々と共に防災学習を実施しています。1学年は「自助」、2学年は「共助」、3学年は「公助」をテーマに学習を進めています。そこで今回は、今年度実施した本校の防災教育についてご紹介します。
1 1学年における防災教育
1学年では、「自助」をテーマに防災教育を進めてきました。最初に、防災に関する基礎的な知識を習得するため、災害対策課の方々より講義をいただきました。講義の中には、生徒の記憶に残っていない東日本大震災についての話もあり、生徒たちは災害に対しての理解を深めることができました。
基礎知識習得後は、各自で災害時における「マイ・ハンドブックづくり」に取り組みました。マイ・ハンドブックとは、災害が起きて避難する際に、自分にとって必要な持参物や家族の連絡先、家族との集合場所等について書いた自分オリジナルの物です。災害を想定し、実際の避難に必要な物、家族の連絡先などを各自でまとめ、自宅に保管しておくことで、万が一の災害に備えています。
2 2学年における防災教育
2学年では、「共助」をテーマに防災教育を進めてきました。2学年では学年全体で好間地区防災マップ作成に向けて取り組みました。作成に向け、地区の消防団・福島高専の学生や地域の防災に関わる方々と共に好間町内を歩き、高齢者や障がいのある方々の視点に立って危険な場所を確認しました。その後、危険箇所を地図に落とし込むことで、好間中独自の好間町防災マップを作成することができました。
3 3学年における防災教育
3学年では、「公助」をテーマに防災教育を進めてきました。本校は避難所に設定されていることもあり、3学年は避難所開設に向けての訓練を中心に学習しました。避難所開設に向け知識を得るだけではなく、パーティション設置訓練・避難所における受付体験・避難所運営ゲームによる避難所設営体験などを行いました。また、地域にある老人福祉施設の方の協力の下、車椅子を体験することで、車椅子利用者に対してどのような配慮が必要なのかにも気付くことができました。さらに消防団の協力の下、本校のプールにおいて床下浸水を想定した救助ボートによる避難訓練を実施しました。
4 防災教育の成果
好間地区は、令和元年度の台風で浸水被害の影響を受けました。令和5年9月8日(金)の大雨時にも好間地区は浸水等の被害がありましたが、今回の学習を通して、事前に避難することの大切さを意識して行動することができる生徒が多く見られました。また、本校体育館が避難所になりましたが、避難所開設に向け、本校の生徒が率先して市の職員の方々に協力する姿が見られました。防災教育を通して、地域のために貢献できる人材に育っていることを実感しました。
また、令和5年8月29日(火)には、いわき市長をはじめ、関わってくださったすべての方に学習の成果を報告することができました。今年度の活動に対して、ぼうさい甲子園(毎日新聞社、兵庫県等が主催)にて奨励賞、子どもジュニアチャレンジ(福島民報社主催)では金賞を受賞することができ、令和6年1月9日(火)に市長表敬訪問の際に内田市長に報告しました。
※ぜひ、いわき市立好間中学校のHPもご覧ください!