「チーム学鳳」を合言葉に、広い学びの世界を創り出す 福島県立会津学鳳高等学校
福島県立会津学鳳(がくほう)高等学校は、令和5年度に創立100周年を迎える歴史と伝統を持つ学校です。平成19年には、福島県初の公立中高一貫教育校として学鳳中学校を併設し新たな歴史を刻み始めました。また、平成22年度より文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールに指定され、これまで多くの実績を残すとともに、海外の高校生との交流や研究発表等を行ってきました。地元の企業や会津大学等と連携し、探究的な学びの充実を図るとともに、夢の実現に向けて生徒が主体的に学ぶことができるよう生徒・職員・地域が一体となり幅広い学びの世界を創り出しています。本校の教育活動の一端をご紹介します。
1 高校2学年分野別出前講座
高校2学年で分野別出前講座を実施しました!新潟大学・福島大学・東北大学・医療創生大学・山形大学・福島県立医科大学・竹田看護専門学校の先生方にご来校いただき、全10講座の出張講義をしていただきました。深く広い学問の世界の一端に触れるとともに、高校において基礎的な学力を伸ばしていくことの重要性も感じることができました。
2 サイエンスブロッサム育成講座
理系女子の育成を目指す「サイエンスブロッサム育成講座」では、福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授 前川直哉氏をコーディネーターとしてお招きし、「ジェンダーギャップ」に関するパネルディスカッションを開催しました。パネラーには、本校生徒3名に加え、ジェンダーギャップの大きい職業や職場において、性別マイノリティとしてお仕事をされている方にも参加していただきました。
前川氏からジェンダーギャップに関するデータ提示と説明をいただきながら、パネラーの方々による「性別マイノリティであることのメリット・デメリット」を皮切りに、アンコンシャス・バイアスやライフワークバランスなど、社会や個人が抱える大きな問題について議論を深めました。多様な価値観が反映される社会について考えるきっかけにしてもらいたいと思います。
3 『アートでつなごう 3.11をこえて福島展』にて、ライブ パフォーマンスを披露しました!(美術部、書道部)
令和4年11月13日(日)~23日(水)、福島市のとうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)にて、展覧会『アートでつなごう 3.11をこえて福島展』が開催されました。
この展覧会は、東日本大震災と原発事故から11年の時を経て、世代を超えた県民がアートを通して未来へと希望をつなぎ、発信することを目的とした展覧会です。
展覧会の実行委員会から招待を受けた本校の美術部と書道部は、13日(日)のオープニングを飾るパフォーマンスを披露しました。
美術部は黒板アート作品の制作実演、書道部はライブで書の大作を揮毫(きごう)しました。
それぞれのメンバーは、たくさんの来場者が見守る中、堂々とアートによるパフォーマンスを実演し、多くの拍手と喝采を浴びることができました。
出来上がった作品は、会期中に多くの来場者の注目を集めました。
4 サスティナブル科学研修
令和4年度サスティナブル科学研修が、7月28日(木)と29日(金)に行われました。“サスティナビリティ”をキーワードに「科学に対する興味関心の拡大」および「課題発見力や創造的思考力、情報活用能力、コミュニケーション力、グローバルリーダーシップの向上」を目的として、県内各施設を訪問して実施しました。
高校1年SSコース選択者が下記2コースから1つを選択し、参加しました。
〇7月28日(木)再生可能エネルギーコース
・コミュタン福島 福島県環境創造センター(三春町)
・産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)
・東京電力リニューアブルパワー株式会社猪苗代第二発電所(猪苗代町)
〇7月29日(金)動植物工学コース
・アクアマリンふくしま(いわき市)
・ワンダーファーム(いわき市)
・JAEA楢葉遠隔技術開発センター(楢葉(ならは)町)
28日(木)のコースでは、日本の抱えるエネルギー問題について、東日本大震災と原発事故を背景として学び、近年注目されている再生可能エネルギーの活用の必要性を学びました。福島再生可能エネルギー研究所では様々な発電方法のメリットやデメリットを知り、これからクリアしていかなければならない課題についても学ぶことができました。また、猪苗代第二発電所では水力発電の歴史とその仕組み、発電方法の環境への負荷の少なさを目で見て体験的に学びました。生徒からは「今後の自身の生活を見直し、改めたい」や「自分たち高校生でも考えなくてはならない課題がたくさんあることが分かった」などの感想が挙げられました。
29日(金)のコースでは、アクアマリンふくしまにて海洋プラスチック問題についての講義を受けました。生徒はいわき市の海でもこの問題が発生していることを知り、「胸が締め付けられた」と述べていました。ワンダーファームでは、トマト栽培を先進技術を用いて効率的に行っていることを学びました。最後に訪問した遠隔技術開発センターでは、ドローンや水中ロボット実習、VR体験などをとおして、廃炉に取り組む技術者の現場や課題について体験的に学ぶことができました。体験をとおして「県民の一人として貢献できる人間になりたい」や「これからの学習のモチベーションに繋がった」などの感想が挙げられました。
※ぜひ福島県立会津学鳳中学校・高等学校のホームページもご覧ください!