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【県北地区高校生対象】高校生meet up!進学・しごとのギモン ヒント発見ワークショップ「第10回 医師」を開催しました!

 高校生にとって、「高校卒業後の進路をどうするか」は、人生を左右する大きなもの。就職しようか、進学しようか、進学するならどこで何を学ぼうか、将来の仕事はどうしようか・・・。
 そんな高校生のギモンに「ヒント」を提供するのが、「高校生meet  up!進学・しごとのギモン ヒント発見ワークショップ」。このワークショップは、地域で仕事や活動をされている「センパイ」社会人の方と座談会形式で交流することを通して、高校生が多様なキャリアを見つめ、自分の生き方や将来についての「ヒント」を得ることができるようにしています。

 ワークショップの第10回は「医師」。1月26日(金)に福島市にある Fukushima-BASE で開催しました。ファシリテーターに福島学院大学教授の木村先生、講師に福島県立医科大学の東孝泰さんと遠藤芽依さんのお二方をお迎えして、高校生7人が医師の仕事についての話を伺いました。
 今回は、最終回となる第10回のワークショップの様子をご紹介します!


1 医師になろうと思ったキッカケは?

 高校生に今回のワークショップに参加した理由を聞いてみました。すると「小さい頃の通院体験から」「看護師の母の姿を見て、人の手助けをしたいと思ったから」「防災ボランティアで災害医療に触れたから」「医療系のTV番組で憧れて進路の参考にしたいから」「入院した体験から」「将来の選択肢の幅を広げたいから」「友人を病気で亡くした経験から」などその理由はさまざま。では、講師の方はいつから医師になろうと思ったのでしょうか。

 高校まで文系でした。高校3年生の時に姉が医学部に進んだことで、医者という職業に目が向き、理転(文系志望から理系志望に変えること)して今ここにいます。皆さんのように、志を大事にすれば、それは原動力になると思います。

 キッカケは絵本です。アフガニスタンで困っている人を助ける医師はすごいなと思い、小学生の頃からなりたいと思っていました。海外で活躍している姿を見て医師になった、という同級生も意外と多いです。

 なんと理転して医師になった方、そして小学生の頃からの思いを実現させて医師になった方など、「医学部を目指す」時期や「医師になる」キッカケは人によってさまざま。高校生の時は文系、理系とそれぞれ異なる進路選択をしていましたが、医学部を経て、現在は医師として福島県立医科大学で働いています。


2 医学部を選ぶ上でのポイントは?

 医師になるには、医学部で6年間学び、医師国家試験に合格して、さらに臨床研修医としての経験を積まなければなりません。
 では、医学部を選ぶ上でのポイントは何でしょうか。どの医学部にしようか考える上での一つの参考にしてみてください。
【どの医学部にするか】
・二次試験で点数がとれる大学
・入学金や授業料などの学費等を支払える大学
 医学部を選ぶ上で、学力と学費の側面はやはり重要なようです。なお国公立・私立を問わず、全国どこの大学でも「医師免許を取得」できるように、学びの体制を整えています。
 ただし「〇〇の研究をしたい」「△△の治療法を見つけたい」など、研究したいことがある場合は、大学ごとに特色があるので大学選びも大事、とのことです。
【国公立大学と私立大学の学費の違い】
・国公立大学の場合、学費はほぼ全国一律
 ※公立大学では、県内在住者とそれ以外とで入学金が異なる場合も
・私立大学の場合、国公立より高く、学校ごとに学費が異なる

医学部を目指すにあたって、保護者の方から「浪人は1回はいいけれどダメだったら諦めて」という言葉があったことをはじめ、成績はどのくらい必要かなど、しっかりと話をしたそうです。


3 医学部に向けての受験勉強はどのくらい?

 医学部を目指す上で、やっぱり気になるのが受験勉強。講師のお二方は、どのくらい受験勉強をしたのでしょうか。
【高校生のとき】
・平日平均3~4時間/休日5~6時間
・平日平均4~5時間/休日は可能な限り

 「力の限り」勉強しました。化学の有機化学が苦手で文系にしましたが、受験には必ず必要なので、高校卒業後(予備校の時に)「やるしかない」と勉強しました。テキストを紙に全部写して、それを何周も繰り返して、紙が重なって高さが出ることで自分の力にしていました。
 夜中までずっとやると体力が持たないので、「ここまで」と決めたところまでにしました。ただし、受験直前は朝から夜1時まで勉強しました。

 英語と国語は得意で、数学が苦手だったので、数学を重点的に先に進めつつ復習を何度も行いました。1年の終わり頃に部活を辞めて塾に通い、最後の方は寝る間も惜しんで勉強しました。勉強する姿を見て、家族が心配するほどでした。

トイレやお風呂場にも英単語などの暗記するものを貼っていたそうです。


4 医学部入学後の学習・生活面は?

 医学部入学後は、どのような生活を送っていたのでしょうか。医学部生時代から専門分野を決めるまでの話をしてくださったので、ご紹介します。
【医学部のカリキュラムについて】
【1・2年生】座学がメイン。生物学や倫理などの基礎的な知識を学ぶ。
【2年生】解剖学あり。体の臓器について学ぶ。
【3年生】内科系・外科系からの治療アプローチについて学ぶ。
【4~6年生】実習。病院の中で実習して診察を見たりする。
【6年生】2月上旬の医師国家試験に向けて勉強。
 大学の授業は午前4時間、午後2時間。16時には授業が終わって部活に行ったり、友人と旅行したりするなど、勉強漬けの毎日ではないとのこと。

【医師としての専門分野の決め方】
 大学4年生の実習で、2週間ごとに各診療科に行き、すべてを回ることで「内科は診察がメイン、外科は手術」という雰囲気をつかむとのこと。実際には、内科か外科かイメージを持ちながら、医師国家試験に合格してから行う2年間の臨床研修医(初期研修)の期間に専門を決めるそうです。

内科と言っても、消化器内科や呼吸器内科など細かく分かれていて、「家庭医は全体的に診る特徴があり、地域コミュニティとの距離が近い」そうです。また「医師として、『患者さんのために』が第一です。患者さんがどのような人生を歩んできたのか、これからどうなるかを考え、自分磨きや心を豊かにすることを大事にしています」との言葉もありました。


5 医師(医療)を目指す高校生へメッセージ

 医師(医療)の道を目指す高校生に向けて、講師のお二方からメッセージをいただきました。

 医師になれるのか不安だったことを覚えています。医学部を目指すと決めたら、やるしかない。進路が決まっていないことに、決して焦る必要はありません。迷いや不安という気持ちは大事にして、自分が将来何をしたいか、どうなりたいかを考える時間を大事にしてください。ただし決めたら努力あるのみ

 悩むことは大事です。道は一つではありません。何歳になってからも挑戦することができます。固く考えずに、視野を広くして吸収してください。

ワークショップの様子。講師の方に質問したいことなどを話し合っています。
高校生から「学校で『勉強だけするんじゃないぞ。医者は寄り添ったり人間性が大事だ!』と言われましたが本当ですか?」との質問が。講師の方からは「患者さんを思いやって何ができるかを考えて接するか否かでケアの質や満足度が変わります」「医療もチームワークなので、いろんな方とのコミュニケーションが大切です。診察の機会が多い診療科は、特に人間性が大事」との言葉が。


6 最後に

 2023年10月から県北地区の高校生を対象に行ってきた「高校生 meet up!しごとのギモン ヒント発見ワークショップ」。いかがでしたか?
 「参加したかったけれど参加できなかった」という高校生もいたかもしれません。そんな皆さんの強い味方がこちら県北地方振興局のホームページには、各回のYou Tube動画が掲載されていますので、ご覧ください。また、「高校生meet upふくしま!プロジェクト」や福島県教育委員会公式noteサイトでも「高校生 meet up!しごとのギモン ヒント発見ワークショップ」について掲載しています。ぜひ進路の参考にご覧ください!!


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