みんなが読書できる社会をつくる~福島県立図書館の読書バリアフリー推進への取り組みをご紹介します~
はじめに
私たちは、普段当たり前のように紙でできた活字の本を読んでいます。しかし、様々な理由によりこうした本をそのままでは読めない、読みづらい方が多くいます。
福島県立図書館では、「読むこと」に関する障がい等の有無にかかわらず、誰でも読書ができる読書バリアフリーを推進するため様々な取り組みを行っています。福島県教育委員会公式noteでは、過去にデイジー(DAISY)をご紹介しました。
今回はより幅広く、読書バリアフリーを知るために役立つ情報をご案内します。
※紹介するホームページは、2024年4月23日時点でのものです。
※本記事は福島県立図書館本の森への道しるべ『みんなが読書できる社会をつくる』より編集・加筆したものです。
読書バリアフリーとは?
様々な団体・自治体が、読書バリアフリーを解説するホームページやパンフレットを作成しています。読書バリアフリーの基本を知るには、こうした資料が役立ちます。
バリアフリー図書の森へようこそ!(文字・活字文化推進機構)
バリアフリー読書のためのサポートガイド(埼玉県立図書館)
読書のバリアフリー 誰でも読書?いろんな読書!(愛知県図書館)
https://websv.aichi-pref-library.jp/sisyou/barrierfree2024hp.pdf
読書バリアフリー法を知る
読書バリアフリー法は正式名称を「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」といい、障がいの有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにするための法律です。
視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について(文部科学省)
視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について(厚生労働省)
読書バリアフリー法では、第8条で都道府県・市町村等に対し、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画」(読書バリアフリー推進計画)を整備するように求めています。福島県では、「第5次福島県障がい者計画」が該当する推進計画となっています。
第5次福島県障がい者計画について(福島県)
バリアフリー資料をさがす
読書に障がいのある方が読みやすい「バリアフリー資料」には、大活字本などどなたでも利用できるものと、著作権法により視覚障害者等に利用が限定されているもの(録音図書の多くなど)があります。
バリアフリー資料の検索は専用のデータベース等を利用するのが一般的です。
みなサーチ(国立国会図書館)
サピエ(全国視覚障害者情報提供施設協議会)
バリアフリー資料には「やさしい日本語」として、文章の意味の理解が難しい方や外国人の方に読みやすい文章で書かれたものもあります。
わかりやすい文章 わかちあう文化(一般社団法人スローコミュニケーション)
NEWS WEB EASY(日本放送協会)
マルチメディアデイジーは音声に合わせて文字がハイライトされることで、文字を脳内で音に変換することが難しい方などでも読みやすい電子書籍です。日本障害者リハビリテーション協会でマルチメディアデイジー教科書を発行しているほか、わいわい文庫(伊藤忠記念財団)など、申し込みに応じてマルチメディアデイジー資料を配布している団体があります。
マルチメディアデイジー教科書(エンジョイデイジー)
わいわい文庫(伊藤忠記念財団)
特別支援学校図書館の運営に役立つ情報
特別支援学校図書館での資料選定に役立つ資料として、特別支援学校図書館向けのブックリストを発行している図書館があります。
特別支援学校向け 学校図書館基本図書リスト(東京都立図書館)
特別支援学校向け 学校図書館基本図書リスト(知識の本)(埼玉県立図書館)
特別支援学校向けブックリスト(鳥取県立図書館)
特別支援学校で多く実践されている読み聞かせについて、実践事例や選書・実技のポイントを解説した資料が発行されています。
特別支援学校での読み聞かせ(東京都立図書館)
なお、福島県立図書館では特別支援学校支援のため、移動図書館「あづま号」の巡回や資料の貸出・運営相談などを行っています。詳しくは福島県立図書館までお問い合わせください。
おわりに
福島県立図書館では、学校での読書バリアフリーに関することや、学校図書館のことについて相談を受付しています。相談したいことがございましたらお気軽に下記問い合わせ先へご連絡ください。
(福島県立図書館)
(https://www.library.fcs.ed.jp)