子どもたちが震災・復興の記憶を後世へ~ジャーナリストスクール2023~
ふるさとの良さや未来について深く考える機会とするジャーナリストスクール
県内の子どもたちが、福島の復興・復旧のために活躍する企業や団体を取材し、新聞にまとめ、発信することにより、自分たちの住む「ふくしま」の良さを知るとともに、自分の将来の夢や希望を深く考える機会とすることを目的に実施したこのジャーナリストスクール。
この取組は、公式noteでも6月にご紹介しましたが、去る2023年8月3日、5日、6日及び12日に開催され、その成果物として10月にタブロイド判新聞が完成しました。
今回は、完成した新聞の紙面と参加者の声をご紹介します。
小学生から高校生まで38名がジャーナリストに
今年度の参加者は、県内の小学生25名、中学生11名、高校生2名、合計38名。取材、新聞作成では県立高等学校講師、県内新聞記者の指導や助言を受けながら活動しました。指導には、ジャーナリストスクール卒業生も携わってくれました。しっかりと前の世代の子どもたちがバトンをつないでくれているようで頼もしく感じます。
6つのグループの記事はこちらから
(1)飛べ!ドローン
まずは、株式会社ふたば 富岡本社を取材した1班。ドローンを通して震災後の町づくりに関わるこの会社。実際のドローンを目の前にしての写真から迫力が伝わってきますね。地域への恩返しとして、富岡産のワインづくりの支援にも取り組む企業の思いがよく分かりました。
(2)富士っ子ふくちゃん
2班は、浪江町の富士コンピュータ株式会社AI技術研究所を取材。少子高齢化にAIの技術力で挑むこの会社は本社が兵庫県にあります。なぜ浪江町に進出したのでしょうか?編集後記には取材を通しての新たな気づきや情報発信の難しさが、高校生ジャーナリストならではの切り口で表現されています。
(3)コメプラ タイムス
「コメプラって何?」と思った方も多いのでは?3班は、株式会社バイオマスレジン福島の浪江町の新工場を取材。震災後に生じた耕作放棄地を田んぼとして活用し、非食用米を利用した、環境に優しい素材バイオマスプラスチックを作り出しています。地域課題から新しいイノベーションを生み出し、風評払拭に取り組んでいることが伝わってきました。
(4)復興の町〜未来に向けて〜
4班は、とみおかアーカイブ・ミュージアムを取材。津波で流され原形をとどめていないパトカーとそこに乗っていた警察官のエピソード。時が止まったような展示品と学芸員さんの言葉。取材した子どもたちが感じたことがしっかり記事の中に切り取られていました。
(5)紅梅の夢
5班は、南相馬市小高区の株式会社紅梅夢ファームを取材。震災と原発事故からの農業の復興を目指して農業法人を立ち上げた経緯をはじめ、農業の担い手育成に向けた情報発信やスマート農業などの新たな動きに触れました。社長さんの地域への熱い思いを感じる記事に仕上がりました。
(6)あすびと福島〜福島の未来をつくる
最後は、一般社団法人あすびと福島を取材した6班の記事。福島の復興に貢献する人材育成に取り組むこのあすびと福島については、公式noteでもご紹介しましたが、今回はまさに子どもたち自らが取材。「新たな経験をし、学ぼうとする学生にとことん伴走する姿に強く胸を打たれた。」という編集後記の言葉から、「あすびと=あすをつくる人」としての強い決意が感じられました。
いかがでしたか?小学生から高校生まで年齢の違うグループの中でまとめていく作業は大変だったでしょうが、各班とも復興の現場で目にしたことをジャーナリストの切り口で見事に記事として完成させていました。冒頭の写真にもあるとおり、8月12日の最終日にはジャーナリストの池上彰さんの前で堂々と発表し、講評をいただきました。
最後に、参加者の声もご覧ください。
ジャーナリストスクールの詳細は、以下の県の生涯学習課のサイトをご覧ください。